なぜ今、アーラリンクは新卒採用と社内育成を中心にしているのか。社員から届いた質問をきっかけに、カルチャーフィットや独自のビジネスモデル、今まさにつくっている組織文化について話します。中途採用をあえて急がない理由や、今後どのタイミングで再開するのかまで、今の採用方針に込めている考えをお伝えします。

理由① カルチャーフィットを重視しているから

「以前はハイキャリアの中途採用を行っていたと思いますが、現在は新卒や若手を自社で育て、現社員の成長を促すという方針に大きくシフトしていると感じています。成長角度をさらに上げていく上では、他社で実績のある即戦力(ハイキャリア層)を外部から取り入れる選択肢もあるのではないかと思っています。そこで、新卒採用・社内育成をメインとした背景や意図があれば、ぜひお伺いしたいです」

「今後会社を大きくするために社員の人数が必要になるとお話がありました。新卒の採用は力を入れて増やしているかと思いますが、中途採用に動きがありません。現状、CSの課題は教育者が少ないことであると思っていますが、中途採用を再開する予定はありますか?」

今日は新卒採用・中途採用について、2つ質問をもらいました。
すごくいいテーマなので、まとめて答えたいと思います。

まず現状をお伝えすると、新卒採用100%、中途採用0%の状態です。
2025年までは中途採用もやっていたと思いますけど、
最近はやっていないですね。

なんでそうしているのか。
一つ大きいのは、カルチャーフィットするかどうかだと思っています。

前職で仕事ができた人を採用すれば、
アーラリンクでも活躍してくれるんじゃないか。
多分、この2つの質問の前提にはそういう考えがあると思うんですけど、
ある会社で成果が出た人が、
アーラリンクでも成果を出せるとは限らないと思っています。

専門スキルが強い仕事であれば、
その専門スキルを持っていることで、どこに行ってもある程度活躍しやすいと思います。
ただ、僕らが期待しているのは、
例えばカスタマーサポートの電話対応そのものの専門スキルではなくて、
教育とかマネジメントとか、そういった上流の専門スキルなんですよね。

教育やマネジメントって、何を教えるか、
何を管理するかで仕事の中身が全然変わってくると思っています。
その会社の中で大切にされているものや、
当たり前になっていることをちゃんと教えていく。
そこが結構大きい変数になるんじゃないかなと思っています。

だから、他の会社で教育をやっていたとか、マネジメントをやっていた人が、
そのままアーラリンクでも通用するかというと、
会社ごとの違いが大きいので、あまり再現性がない可能性もある。
それよりも、内部から上げていった方が強いんじゃないかなと思ってやっています。

最近ちょっと気づいたことがあって「高橋さん、育成得意説」があるんですよ。

得意なのか好きなのか。
得意かどうかはちょっと疑わしいですけど、好きなのは間違いないと思います。

僕が全部を直接教えているわけではないですけど、
僕が教えている社員が、今度は教える側に回っている。
そう考えると、教えるということはある程度できるんじゃないかという前提に、
僕自身が立っているのかもしれません。

他の経営者と比較した時に、
自分を結構教えるっていうのがやりたいと思ってるし、やれるんだろうなと。

他の会社だと、育成がなかなかできないから、
できる人に外から入ってもらうという考え方もあると思います。
でも、自分が育成できる側にいるのであれば、中途採用への依存度は低くなる。

カルチャーを大切にしながら、必要なスキルは自分も含めて、
僕が教えた人や幹部が教えていく。
そういう思想を大切にしているし、
できると思っているところはあるのかもしれないですね。

理由② 独自のビジネスモデルだから

あと、アーラリンクのビジネスモデルが
ちょっと変わっているというのも一つありますよね。

コピーペーストできるようなビジネスモデルだったら、
あの再現性があると思うんですよ。

例えば、法律とかである程度規定されている人材派遣会社とか。
人材派遣業法の中でやることがある程度決まっているので、
どっかの会社で結果出してた人はうちの会社でも結果出しやすいっていうのは
業務がほぼ似てるから言えてると。

でも、僕らは独自のブランドをつくって、独自の成長の仕方をしようとしている。
そう考えると、なかなかフィットしにくいですよね。

それだけ変わったことをしているし、
むしろ、他社で成功体験を持っていることが、
アーラリンクの変わったやり方に適応する上で、
足かせになる可能性もちょっとありますよね。

理由③ カルチャーをつくっている途中だから?

もう一つ大きいのは、
今まさにアーラリンクのカルチャーをつくっている最中だということです。

分かりやすいところでいうと、ブックリーディングとかがそうですね。
ブックリーディングをやりたいというのは10年前から思っていたんですけど、
10年前に「ブックリーディングやろうぜ。本をちゃんと家で読んできてね」
と言ったら、みんな辞めちゃうんだろうなと思っていたんですよ。

だから、自分がこういうカルチャーをつくりたいと思っていても、
当時は言い出せなかった。

でも最近は、社員のみんなが成長するためにアーラリンクを選んでくれていると、
僕は思っています。
なので、成長する機会をつくってあげないことの方が、
彼らの期待に対する裏切りだと思っています。

だから、成長することをきっかけとした施策とか、
昔からやりたかったことは積極的にやっています。

それを何年も続けていくと、
「成長性を大切にする」とか「成長するための習慣をつくる」とか、
そういうものが少しずつカルチャーになっていく。

そのカルチャーがしっかり固まってから、
特殊なスキルを持った人とか、ハイキャリア、ハイクラスの人を採用していく。
それなら文化は崩れにくいと思っています。

逆に、今の段階で外から新しいものを入れると、
文化が崩れちゃうんじゃないかなという感覚があります。

だから、まず文化をつくりたい。
そのために新卒採用を中心にやっているというのもあります。

広告とか採用とか、
外部のエージェントさんは、いっぱい使わせていただいています。

でも、新規事業みたいなところは、自分がビズデブをして、
小さく早く失敗しながら、新卒の子たちと一緒にやりたいとも思っています。

中途の方が期待していることを
満たせない可能性もあるんじゃないかなとも思ってますね。

理由④ パラシュート人事に慎重だから

あと、僕自身がパラシュート人事にビビっているというのもあります。

パラシュート人事って、外からハイキャリアの人を採用して、
いきなり重要なポジションに入ってもらうことですけど、
10回やって1回成功するかどうか、みたいな話もあるじゃないですか。

カルチャーがまだ固まっていない時にハイキャリアの人を入れて、
その人が前の会社で経験した文化や成功体験を「これが正しい」と持ち込む。

それは前の会社では正解だったかもしれない。
でも、アーラリンクで正解かどうかは分からない。

そうなった時に、経営者である僕とぶつかるハレーションが起きる可能性もあるし、
今まで働いてくれている社員のみんなが、
「高橋さんが今まで言っていたことと全然違うな」と混乱する可能性もある。

僕は、そういうハレーションをすごく気にしています。

だから、必要以上にビビっているところはあるかもしれないですけど、
パラシュート人事が怖いからこそ、
時間がかかっても中から人を育てて、文化を大切にしたいと思っています。

僕って結構矛盾していて、会社の成長性は高く持ちたいと言っている反面、
組織づくりについては結構じっくりやるんですよね。
この2面性は、自分でもちょっと面白いなと思っています。

組織はじっくり育てていきたい。
でも、成長性は高くしたい。
そうすると、社員一人ひとりの成長に求めるものが高くなっていく
というのもあると思います。

「育てる」というところに、自分は傾倒しているんだなというのは、
最近の発見というか、驚きでもありますね。

なので、しばらくは新卒採用を中心にやっていこうと思っています。

それが変わるとしたら、150人くらいの組織になった時なのかもしれないですし、
人数に関係なく 「アーラリンクのカルチャーってこうだよね」と聞いた時に、
誰に聞いても同じようなことを答えられるくらい文化が固まった時かもしれません。

そこまで来たら、
外から新しいカルチャーや、新しい血を入れるのも悪くないと思っています。

ここ2〜3年は、中途採用を大きく再開することはなさそうです。
ただ、ずっと一生やらないということでもない。
今はまず、アーラリンクの柱や土台をしっかりつくっているフェーズだと思っています。

話し手

高橋 翼

株式会社アーラリンク代表取締役社長

2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。