成長を止めない組織に必要な覚悟

今回は、社員から届いた「変化の過程で疲弊し、離脱する人が出るのではないか」という質問に答えます。その可能性は否定しない。けれど、それを理由に変化は止めない。成長を止めることは社員最適であり、顧客最適ではないからです。
採用基準が上がる意味、組織を逞しくしていく必要性、そして成長し続ける理由。成長を止めない組織に必要な覚悟が見えてくる回です。

疲弊や離脱を理由に、変化を止めない

社員から届いた質問に答えます。

「何かを変えると、その過程で疲弊し、離脱してしまう社員が出る可能性もあるのではないかと思っています」

組織が変わる時とか、何か新しいことを推進する時に、
必ずその組織側が疲れちゃって、離脱しちゃう人も出てくるんじゃないか、
みたいな話ってあると思うんですよね。

ここは、経営者の価値観が出るんじゃないかなと思ってます。

まず、僕がこれ系の話を聞いた時に一番最初に思うのは、
「何言ってんだい」って感じですね。

もちろん「疲弊して離脱する人がいる可能性がある」
ということに関しては、これは事実としてあると思います。
でも、それを理由に「だからやめましょうよ」ってなるのは、
僕の考え方とは違うんですよね。

疲弊して離脱する人がいる可能性はある。
でも、それを受け入れて前に進むっていうことが、僕の考えです。

「今が最適である」
もしかしたら、世の中の働いている人はそう思っているのかもしれない。

でも、経営者って全然そんなことなくて、
「今の組織は自分の理想に対して100点中何点だ」
みたいなことを思いながらやっているような気がしていて。

100点に近づけるために、いろんなことを新しく始めて頑張ろうとしている。
意図的に組織の新陳代謝を作ろうとしている部分があるように僕は思うんですよね。

だから「疲弊して離脱してしまう社員が出てくる可能性がある」ということに対して、
僕が取ろうとしているアクションって、
採用力を強くするとか、全然違う話なんですよ。

要は「会社とか組織がもっと筋肉質に、逞しく日々なっていけばいいんじゃない」
というふうに思っています。

採用基準の上昇は、組織成長の証

少し違う話をすると、面接をしている社員が、
苦笑いしながらこんな話をすることがよくあるんですよ。

「今のアーラリンクの選考基準だと、当時の私は受かってないっすね」

つまり、選考基準が年々上がっているっていうことですね。
これはすごくいいことですよね。
僕はそれを言ってた社員たちにも言ったんですけど「当たり前だ」と。

僕ら、成長してるんですよ。
成長していけば、採用市場とのコミュニケーションも、
もっと欲張りになっていっていいんじゃないかと思ってます。

採用力を身につけているっていうことは、
社格が上がっているということで、それ自体喜ばしいことだよねと。

だから「当時の自分はこれ受からなかった」って苦笑いするのは、
当時の自分が落ちるような選考をしてしまっていることに対して、
自分事に置き換えろ、みたいな話なんだと思うんですよ。

「自分がやられて嫌だったことは人にしない」みたいな精神と一緒で、
「自分が受からないような選考をしてしまっていいのか」
みたいなことを多分みんな悩んでるんだと思うんですけど、
僕はそれって悩む必要がない悩みだなと思っています。

もう、どんどん欲張りになっていきましょうと。
欲張りになって、それでも採用人数が取れるんだったら、
量かける質が最大化していると思うので、
それってめちゃくちゃいいことだよねと思ってます。

そうすると、実際27卒は選考基準が上がっている中で入ってくるので、
前の年とか、その前の年よりも多分レベルが高い人が入ってきているはずである。
ということは延々強くなっていく。
それが僕の理想かなと思っています。

そうすると、強い人たちの中で、
同じことをやっても疲弊しない組織ができてくるんじゃないかなと思ってるんですね。

これからのアーラリンクが、もっと組織的にタフになってきたりとか、
会社の目指すものが上がってきた時に、
それを自分が発揮できるかどうか、みんな不安だったりすると思うんですけど、
「絶え間なく自分が変化し、成長し続けるだけ」っていうのが答えだと思うんですよね。

僕自身がそこは本当にそう思ってます。
一番は、僕自身が成長し続けなければいけないっていう宿命があると思っていて、
その宿命は結構自分は負っていたりしますね。

とはいえ、質問者の人が言っているみたいに、疲弊してしまう人も出てくる。
「そこに乗っかれない人はみんな辞めなきゃいけないんですか」と言った時に、
もちろん辞めなきゃいけないシチュエーションも当然あるとは思っています。

それは、会社の成長速度と自分が合わない中でその会社にしがみついても、
心技体がフィットしないから、
その人にとって多分幸せじゃないと思うんですよね。

社員最適ではなく、顧客最適で考える

とはいえ「組織の成長性」って、
全体成長の部分と、個別成長みたいなものがあるかなと思っています。

全部署が全部同じ速度で成長するかというと、
部署によって結構グラデーションがあったりすると思うんですよ。
そんなに成長の大きさが求められない仕事があるのであれば、
適材適所でそういうのをやってもらうシチュエーションもあるんじゃないかな、
というふうには思っています。

だけど、その椅子って多分限られているので、
みんながみんな、成長に対して箸休め的な、踊り場的な椅子に座れるかと言ったら、
それはそんなことないと思います。

その椅子がいっぱいあったら、会社が成長しなくなっちゃうと思うんですよね。
だから、そういう人も必要だと思うけれども、
やっぱりどんどん自分が自己成長して強くなっていくっていうことは
必要なんじゃないのかなと思っています。

ベンチャー企業の宿命でもありますし、
僕という経営者の会社で働いていることの宿命でもあるんじゃないかなと思ってます。

結局、そうしていくことが、
会社がもたらす価値をどんどん豊かにしていくことだと僕は思っています。

「組織が疲弊してしまうから、これ以上走るのをやめようよ」っていうのは、
社員最適であり、顧客最適ではないと思うんですよね。

やっぱり、お客様のためにいいものを出し続けなきゃいけないから、
僕らは成長し続けなきゃいけない。
それが絶対的な大方針でないといけないと思っています。

そして、僕が成長し続けなければいけないと思う理由は、不安と好きの2つあります。

成長し続ける理由① 止まることへの不安

まず、不安っていうところで言うと、
「満足した時点で衰退が始まる」って、これ絶対そうだと思うんですよ。

アーラリンクはあんまりそういうシチュエーションになったことがないから、
みんな分からないと思うんですけど、
「成長が止まる組織」ってすごく空気が淀んでいくんですよね。

前向きのエネルギーがなくなって、なんか変な空気になっていくと、
他の社長からよく聞きます。

だから、やっぱり「会社が成長している」っていうのが、
一番のモチベーション施策なんだなと思うし、
成長しない状態になっちゃった不和音が流れているという状況に
身を置くことの不安さをすごく感じてるんですよね。

例えば、顧客から選ばれなくなるっていうのが一番の不安ですよね。

顧客から選ばれなくなる。
利益がなくなっていく。
会社の組織の雰囲気がどんどんおかしくなっていく。

他の人の話で、連鎖している環境をいっぱい見てきたので、
そんな環境になってしまうことへの不安が一番強いですね。
その不安に駆り立てられて、
成長しなきゃいけないなって常に思ってるっていうのが一つです。

成長し続ける理由② 成長意欲に応えたい

あとは、楽しいっていうところで言うと、
成長意欲がある人がいっぱいいて、
「成長したいです」っていうオーダーを受け続けている方が、
「もっと成長したいって言ってる人がいるから頑張ろう」
って思えて、むちゃくちゃ気持ちがいいじゃないですか。

やっぱり、まず誰と働くかが重要です。

自社にフィットする働きたい方たちがまずいて、
その働きたい方たちが成長を望んでいるのであれば、
そこの先頭で運転している経営者は、
みんなが成長できるような環境を作ることに集中する。

なんかそのサイクルって、めちゃくちゃ好循環だなと思うんですよね。

だから僕も、
社員のみんなに成長をギフトするために頑張らなきゃいけない環境にいる。
その貢献をしている自分は幸せですよね。
楽しいなと思ってやれるので。
だから、成長っていうところに関しては、不安と好きのどっちもありますね。

「社員が疲弊しちゃうからやめましょう」だと、
結局やめた瞬間にお客様から見放されちゃうような、
失敗の始まりみたいな、
終わりの始まりみたいな匂いがすごいしてしまうので、
それをすごく避けたいと思ってます。
だから、成長し続けるような気運を作り続けなきゃいけないんです。

成長のために、やらないことを決める

僕の成長にかける意気込みとか思いっていうのは、
社長とか起業家の中でも多分メタ的に強いなと思っています。
特にストイックっていうのは、僕はやっぱ強いなと思いましたね。

僕は、制約と誓約で突き動かされてるんです。
だから、やらないことを決めまくってるんですよ。

この10年、自分が成長するためにやめまくったことで言うと、
例えばタバコ、酒ですね。

タバコをやめてからもう12、3年経ちましたけど、
最後の1本を吸って心の中で思ったのは、
「もう1本吸ったら、僕はこれは死ぬ時だ」と。
僕はタバコ吸ったら死のうって決めてるんですよ。

お酒もそうですね。
飲んで次の日の朝頭痛い、体調悪い、睡眠の質が下がるとか、自覚してたので。
もちろん飲んだら楽しいですけど、
その楽しさに流されてしまっている自分も分かってるし、それを人でも見てるんで。
お酒に溺れてしまうと、人はこうなってしまうのかと。
なので、それも絶対やらないっていうルールを決めてるんですよね。

仕事上でやらないことで言うと、二兎を追わないとか。
基本的に1個に絞って、1個を徹底的にやるようにしています。

夢100ではなく、夢1という生き方

生き方もやっぱそうですけど、夢100を書かないとかね。
「夢を100個書いて、100の夢を叶えましょう」みたいなドリームリスト。

僕は、夢1だと思ってるんですよ。
それは何なのかと言うと「アーラリンクをでかくすること」です。

アーラリンクを社会に影響があるような会社にすること。
もう夢1なんですよ。

夢が2個以上あると、分散するじゃないですか。
そうすると必然的に、セカンドライフを考えないっていうのも縛りましたね。

何歳で引退して、引退したら世界を回ってとか、
昔はいろいろ考えてたんですけど、それって必要なのかなって。
だから、余生を考えないっていう制約を課したんです。

死ぬまで現役です。
老害になるまで現役で成長し続けるっていう。

余生を楽しまないっていうルールを課したことによって、
逆に思考が整理されたんですよね。
会社を大きくすることとか、会社を成長させること、
世の中に影響力のあるようになることだけ考えていればいいんだって思えたんです。

もちろん、社員のみんなに僕と同じ基準で求めるっていうのはしないです。
成長意欲は持っていてほしいなとはちょっと思いますけど。

でも、僕はやっぱ起業家なので、それはそれとして別の生き物ではあるんです。
ただ、僕の思想は、制約と誓約というものを課して、
ストイックにやろうとしている人であるということは知っておかないと、
ちょっと火傷しちゃう可能性はあるんじゃないかなと思ってます。

本当にいろんなものをクローズして、クローズして、
一つのことだけに懸けようとしている。
それが、僕の起業家の心の奥にあるんだよっていうことです。

凡人だからこそのストイックさ

たまに「高橋さんを超えたいです」っていう人が出てくるんですけど、
僕は「よくぞ言った」と思います。
僕の内面はこうだぞ、ということを伝えた上で、
それでも超えたいというのなら、僕を目指してくれというのは、すごく思ってます。

あと、僕は自分が凡人であるという自覚がすごくあるんですよ。
凡人がでかいことをなそうとしているっていう自覚が強いんです。

だから、凡人でもでかいことをなすための選択として、
制約と誓約を課してるっていう。

自分が天才だったら、こんなことに多分悩まないです。

天才じゃないことを受け入れて、でも絶対に夢は手放したくないので、
その夢を抱き続けるためには、ストイックでなきゃいけないんだなと。
「努力できる天才である」
というふうにしなきゃいけないんじゃないかなと思っているのも前提としてあります。

それで努力してる自分は、結構面白いと思ってやってるんで。
辛かったら続けられないじゃないですか。
だから、それを楽しく続けられるようなマインドセットになってるっていうのも、
重要なことの一つかもしれないですね。

だから、疲弊で離脱するみたいなことに関しても、
「いや、もっと先見てるから」みたいな話が出てくるんじゃないのかなと思います。

成功するまで続ける

絶対成功する方法が1つだけあるって話があります。
それは、成功するまで続けることです。

僕はそれを、結構ガチ目に信じてるんですよ。
「ずっと続けていれば、いつか必ず成功する」っていう。

僕自身がそういう言葉にエンパワーメントされて日々走ってるんだよっていうのを、
皆さんに知っておいてもらえるといいんじゃないかなと思っています。

あとは、騙されたと思ってついてくれば、圧倒的な成長がそこについてくる。
それぐらいしか、僕にはギフトできるものがないってことです。

話し手

高橋 翼

株式会社アーラリンク代表取締役社長

2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。