『誰でもスマホ』は何を基準に審査しているのか

『誰でもスマホ』の審査って、実際に何を見ているのか。
『誰でもスマホ』という名前だけ聞くと「本当に誰でもいいの?」と思われるかもしれません。僕らが大事にしているのは“何でも通す”ことではなく、“必要な人にちゃんと届ける”ことです。やり直したい人を支えたいという思いと、社会として守るべき線引き。その間で僕らが何を見て、どう判断しているのか。反社チェックや未払いの確認など、普段は見えにくい審査の中身を経営者自身の言葉で正直にお話しします。

なぜ『誰でもスマホ』の審査の話をするのか

最近、ある施設の方々から表彰をいただきました。
『自立準備ホーム』と『更生保護施設』です。

名前は違いますが、どちらも社会復帰を目指す方が一時的に生活する施設です。
そういった施設から僕らのところにはよく携帯の相談が来ます。
審査が通らないこともありますし、過去の滞納があるケースも多いんですよね。

社会に出た以上は仕事を見つけて収入を得て、自立していかなきゃいけない。
しかも施設にはずっといられるわけではありません。
だからこそ、仕事を始めるための携帯が必要になります。
そういう時に『誰でもスマホ』にたどり着く方がいるんです。

今回お伝えしたいのは表彰そのものではなく、
その背景にある『誰でもスマホ』の審査の考え方です。

独自審査で見ていること

『誰でもスマホ』の審査通過率は、今だと99.8%くらいです。
ホームページにも「簡単審査」「独自審査」と書いています。

見ているのは大きく2つです。
①反社チェック
②『誰でもスマホ』内での未払いの有無

まず、反社会的勢力ではないかどうかを見る反社チェックですが、
これがすごく難しい。
社会からは「反社とは契約しないでくれ」という要請がある一方で、
民間には十分な判断材料がないからです。
国が把握している情報があったとしても、それが共有されているわけではありません。

①反社チェックはどうやっているのか

僕らは新聞データベースを使っています。
全国紙だけではなく地方紙も含めて、
日本中の新聞を何十年分も蓄積しているデータベースです。
そこに名前を入れて検索し、過去の記事を一つずつ見ながら、
反社にあたる可能性があるかどうかを確認しています。

たとえば「暴力団」「薬物」「右翼」「逮捕」みたいなキーワードを見ています。
ただ、逮捕された人すべてを反社と見ているわけではありません。
窃盗で逮捕された人がいたとして、その人が即反社とは限らないからです。

一方で、記事の中に「○○系幹部」や「暴力団幹部」といった記載がある場合は、
明確な判断材料になります。そういう場合は、お断りするという判断になります。

反社かどうかの線引きは、そんなに簡単じゃない

ただ、実際の判断はそこまで単純ではありません。
記事の中に「暴力団幹部」とはっきり書かれているケースは分かりやすいんですけど、
難しいのはその周辺なんですよね。

たとえば、ある人には「暴力団幹部」と書かれていて、
もう一人には「無職」とだけ書かれている。
その人がたまたま一緒にいただけなのか、関係者なのか、そこは正直分からない。
このあたりは本当に正解がありません。
あくまで自社のポリシーですけど、うちはそういうケースもNGにしています。

さらに難しいのは、更生した人の情報が民間には見えないことです。
昔の記事に暴力団と書かれていたら、それを見て判断せざるを得ない。
更生していてもその事実が分からない以上、判断はどうしても難しくなります。

②未払いはどう見ているのか

もう一つ見ているのが『誰でもスマホ』内での未払いがあるかどうかです。
過去に未払いがあっても、まだ僕らが請求権を持っている段階なら、
その分を払ってもらえれば再契約できるようになります。

ただ、支払いがないまま手続きが進み、最終的に債権譲渡までいってしまうと、
今のところご契約はできなくなっています。
ここは今後、一定期間が経った場合の扱いも含めて、
見直しの余地があるかもしれないと考えています。

一方で、払わないまま新規契約したい、というのは無理です。
それを認めてしまうと、
ちゃんと払っている利用者さんが損をする仕組みになってしまうからです。
今きちんと使ってくださっている方が安心して契約できること。
そのためにも公平性はとても大事です。

それと同時に支払い習慣をどうつくっていくかも、
僕らにとっては大事なテーマだと思っています。

あとは身分証明書の確認ですね。
どちらかというと、確認業務の比重が大きいです。

全部の契約を一件ずつ人の目で確認していますし、
信用情報機関の情報も見ていません。
他社への滞納や経済状況だけで機械的に断ることはせず、
判断が必要なものは責任者クラスが見るようにしています。

「誰でも」の裏にある、僕らの線引き

『誰でもスマホ』は、
名前だけ聞くと「本当に誰でもいいのか」と思われることがあります。

でも、僕らの中にはちゃんと線引きがあります。
反社会的勢力は断る。
一方で、過去に罪を犯した人すべてを同じように見るつもりもありません。

やり直したいと思っている人を支えたい。そこに、僕らの考え方があります。

こういう契約の許可・不許可の線引きを、
経営者自らここまで詳しく話すことってあまりないのかもしれないですね。
でも、僕にとってはここって『誰でもスマホ』の魂みたいなところなんです。

僕らは自分たちで直接見る。
すごく地道だし、効率も良くないと思います。人の手もかかるし、コストもかかる。

でも僕らにとっては、そこを自分たちで見ることに意味があるんです。
審査通過率99.8%という数字だけ見ると、ただ甘いだけの審査に見えるかもしれない。
でも実際は逆で、通すために雑にしているわけじゃない。
むしろ一件ずつ見た上で、必要なところだけ責任を持って線を引いているんです。

なぜ、経営者がここまで話すのか

こういう審査の話って、普通はあまり表に出ないと思うんです。
だからこそ今回は経営者である僕自身がちゃんと話しておきたいと思いました。

『誰でもスマホ』がなぜ多くの人に開かれているのか。
逆に、なぜ一部の人は断らざるを得ないのか。
その線引きの考え方をちゃんと知ってもらった方がいいと思ったんです。

僕らは経済状況や信用情報ではなく、
反社かどうかと、自社に対して未払いがあるかどうかを、
人間が責任を持って判断している。それが『誰でもスマホ』です。

そして僕はやり直そうとしている人を支援したいと思っています。
携帯がないと仕事も始められないし、
社会に戻る最初の一歩が踏み出せないこともある。
だからこそ、必要な人に届くサービスでありたいんです。

その一方で、社会として止めなきゃいけない相手にはちゃんと止める。
その両方をやるのが、僕らの役割なんだと思っています。

話し手

高橋 翼

株式会社アーラリンク代表取締役社長

2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。