質問できる会社へ。ルールと対話でつくる、いい組織
今回は朝礼に届いた質問や感想に対して、僕自ら回答や解説をします。
会社や事業、僕の考え方について、社員のみんなから伝えたいことがあるなら届けてほしいと思っています。
後半では、ルールや挨拶、役職者の振る舞いをテーマに、いい会社をどうつくっていくのかを考えます。ルールは人を縛るものなのか、それとも人を信じるためのものなのか。アーラリンクが大切にしたい、対話と文化づくりの話です。
- 目次
- 質問①愚痴で終わらせず、声を届ける
- ルールの話に対する感想①「ルールは大事ですね」
- ルールの話に対する感想②「大勢の人がルールを守っていることが大事」
- 徳の話に対する感想①「挨拶を心がけたい」
- 徳の話に対する感想②「価値観のすり合わせも大事」
- 徳の話に対する感想③「自分の言動を見直したい」
- 最後に──届いた声には、ちゃんと返す
質問①愚痴で終わらせず、声を届ける
社内の朝礼の後に、質疑応答に届いた質問に直接お答えしていきます。
まず、5月29日の朝礼に対する質問です。
「愚痴には生産性がなく、改善案を持って提案するというお話について、おっしゃる通りだと思う反面、提案できる場がほぼないように感じており、愚痴るしかない気持ちも分からなくはないと感じています。業務改善フォームはASVの確認が必要、朝礼の質疑応答シートは朝礼の内容のみと認識しております。そのため、どのような形で質問すればいいのかご提示いただければ幸いです。」
という内容でした。
「会社の文句を言っている人がいた」
「お客さんの文句を言っている人がいた」
そういうことは言うんじゃない、という話を朝礼でしました。
それに対して質問をいただいたのかなと思っています。
①質問は何でも聞いてほしい
まず、朝礼に対して質問フォームを用意しているのですが、
関係ない質問でもいいです。
「朝礼と全然関係ないんですけど、こういうことを考えています」
と書いてもらえばいいのかなと思っています。
もう何でも聞いてください。
フォームには質問者の名前が出ますが、そこにも僕の思想があるんです。
僕は、顔も名前も出して喋っているじゃないですか。
ある意味、責任というかリスクを負っているんです。
それに対して質問者が匿名というのは、
僕は結構フェアじゃないなと思っているんです。
同じ会社の仲間でやっているので、
質問する側にも質問する礼儀があると思っています。
だから「ちゃんと言ってください」ということです。
朝礼は朝礼の内容に対しての質問のみと認識されていたみたいですけど、
その認識は取っ払って、
聞きたいことは何でも聞いてくれればいいと思っています。
②LINEでも直接でも聞いていい
2つ目は、僕は社内のLINEにもいるので、
普通にLINEしてくれればいいんじゃないかなと思っています。
「高橋さん、聞いてください。こういうことを考えています。」
と送ってくれればいいんです。
③会社で直接聞いてもいい
3つ目は、僕は会社に毎日いるので、直接言ってくれてもいいんです。
ただ、それが多分一番言いにくいと思います。
日頃の関係値があるかどうかも、関係しますよね。
だから、一番言いやすいのは朝礼の質問フォームなのかなと思います。
ルールの話に対する感想①「ルールは大事ですね」
ここからは質問ではないですね、朝礼の感想を取り上げます。
だいぶ前にやった朝礼なんですけど、
「ルールを守ることは大事ですよね」という話をしたことがあって、
それに対して「そういうことだったんですか」「それはすごくいいことですね」と
みなさんから感想をいただきました。
それについて触れてみます。
以前、僕はルールについて、
「ルールがないと人間は悪いことをしてしまう」
というX理論的な考え方で捉えていました。
でも、儒教的な考え方でルールについて話している人がいて、
なるほどと思ったんです。
ルールがまずある。
ルールを破ると、
そのルールを破っている自分を神様が見ているような感覚になる。
つまり、ルールを犯すことに対して、
自然と自分の心の中にためらいが生じて、ルールを犯さないという考え方です。
アーラリンクが入っているビルは9階にあって、1階にお手洗いがあります。
でも、1階のお手洗いの前に、
「このトイレは無断で使ってはいけない」と書いてあるんですよ。
「ビルの人なのに、このトイレを使っちゃいけないのかな」と、
僕はすごく謎だなと思って、すごくモヤモヤするんです。
それでも、そこにルールだと書いてあるから、
ルールは犯しちゃいけないと思うんですよね。
自分の中の良心との葛藤の末に、9階まで我慢するんです。
そういう自分の体験もあって、やっぱりルールを破ると、
どこかばつが悪いなと思うからルールを守る、
という意識も生じるんじゃないかなと思っています。
それは、人の可能性に期待したルール運用だと思うんです。
「みんなはルールをちゃんと守ってくれるよね」
「ルールを守らないと罰が悪くて、みんな嫌な気持ちになるよね」と。
だから、徳の精神に期待してルールを運用するということを朝礼で話しました。
「みんなでいい会社をつくろう」という話でもあります。
ルールはあるんだけど、
ルールがないとみんな自由にやってしまうから縛りつける、
という考え方ではありません。
ルールがあれば、みんなの徳によって、
そのルールがいいように運用されていく。
そうすると、人を信じられるいい会社になるなと思うんです。
ただ、その話をした直後に、
会社の文句を言っているとか、お客さんの文句を言っているという話がありました。
そういう悪いことがあると、
みんなのことを信じられなくなってしまいますよ、という話です。
とはいえ、一方で、
「会社の悪口を言っちゃいけない」「お客さんの悪口を言っちゃいけない」
そのルールを知らなかったんじゃないか、という話もあります。
ルールは、知っていれば守るけれど、
知らなかったら無法地帯になってしまうんです。
だからまずは「知らなかったんだよね」「だからみんなで知ろうね」
というつもりで言っています。
一回言ったら、基本的にみんな守ってくれるんです。
ルールを破っているなと思った時に、
それは破っているのではなく、知らないんじゃないかなとまず思うことが、
僕は結構大事だと思っています。
逆の立場で、怒られることもあります。
なんで怒られるのかなと思ったら、
「それルールだったんですか。知らなかったです。すみません」
ということはありますよね。
だから、アーラリンクでは、
ルールを犯すことにためらいがあるいい社員が働いているということを前提にしています。
そんな話をした時にみんなから、
「それはすごくいいことですね」というご感想をたくさんいただきました。
ルールの話に対する感想②「大勢の人がルールを守っていることが大事」
またルールの話に戻るんですけど、こんな感想もいただいています。
「ルールを破ることにためらいを生じさせるためには、
大勢の人がルールを守っているということも重要だと思いました」
これは空気の話ですね。
空気というものは、非常に重要だと思います。
赤信号をみんなで渡れば怖くない、みたいな状態になってしまうと、
みんなでルールを破ってしまいます。
そうするとルールが形骸化してしまう。
だからルールは「守る」ことで初めて文化が成立するとすごく思います。
特にバックオフィスとかにもよく言うんですけど、
ルール違反があったら必ず全社に報告しなさいと言っています。
全社に報告する意味は何かというと、
ニュースとか警察24時と同じだと思ってくれ、ということです。
殺人事件がありました。交通違反がありました。
そういうニュースが流れることによって、
そういうことをしたらダメなんだな、逮捕されちゃうんだなと伝わります。
僕は、あれはルールを伝えるためだと思っているんです。
それをみんなに知ってもらうのが、メディアの役割なんだと思っています。
だから、朝礼というメディアを使って、何がルールなのかをちゃんと話す。
ダメなことがあったら、これはダメなことなんだよとちゃんと言う。
そういう話をしています。
徳の話に対する感想①「挨拶を心がけたい」
次に、徳の話をした時に、挨拶も大事だという話をしました。
そこでいただいた感想があります。
「挨拶をするだけでも、大きな声で挨拶をしたり、笑顔で挨拶することで信頼度はまるで違うと感じるので、これから挨拶を心がけていきたいです。」
僕は、これがすごく大事だなと思うんです。
まず、挨拶では会社で一番を取るというのを、僕は思っています。
ちゃんと挨拶する人というブランディングを、僕自身がすごく大事にしています。
声を大きくすることもそうですし、ちゃんと目を見ることもそうです。
遠くにいる人にも、ちゃんと近くに行って挨拶することも結構しています。
この感想を読んで思ったんですけど、
挨拶みたいなこととか、いわゆる感情仕事、感情労働というものは、
これからの世の中でもっと大事になっていくと思っています。
AIによって知的労働の差が埋められているからこそ、
面白いことを言っている人がいました。
「AI時代の人間の仕事って、謝罪と接待しか残らないんじゃないか」
という暴論です。
謝ることと、人との関係構築をすることだけだ、と。
すごい暴論だなと思ったんですけど、結構納得もしたんです。
感情仕事って、やっぱり大事だなと思います。
挨拶も、感情労働だと思うんです。
それは、自分たちの会社を自分たちでいい会社にしていくことと一緒です。
いい会社を自分たちでつくっていけるビジネスパーソンこそが、
AI時代に活躍するビジネスパーソンなんじゃないかと思っています。
徳の話に対する感想②「価値観のすり合わせも大事」
次に、徳の話について、こんな感想もいただきました。
「同じように徳を持った人同士でも、解釈やアウトプットは価値観で揺れる前提のもと、何をもって善の行動とするのかを定義していく作業って大切だなと思いました。」
これは本当におっしゃる通りです。
組織にとって、こういうことは大事だよねと思っています。
例えば今、僕が「挨拶は大事だよね」と言っている。
何が大事かということは、人同士のコミュニケーションが大切なんです。
コミュニケーションの中で、一個一個、我々はこうだよねとすり合わせていく。
価値観のすり合わせって、すごく大事だなと思っています。
こういう時に「僕は自分の良心ではこうした方がいいと思ったんだけど、
それって高橋さんはどう思いますか」と質問していただけたら嬉しいです。
ただ、それを僕が一人で全部決める必要はなく、
合議というか、みんなで議論して決めればいいと思っています。
逆に言ったら、このラジオで何人か呼んで議論するのも面白いですよね。
「この価値観について喋りたい人、ちょっとラジオで喋ろうぜ」と言って、
3、4人呼んで、公開答弁をする。
その価値観について、こうだよねと決まっていくプロセスをみんなで共有する。
それは大事だと思います。
徳の話に対する感想③「自分の言動を見直したい」
徳や良心という話の中で、僕自身も良心的でなければいけないと思っています。
その中でいただいた感想です。
おそらく役職者の人が書いてくれたと思うんですけど、
「役職者の人がシンボリックな存在になりきれていないと感じました。ミーティングや自分の言動を改めて見直して、高めていきたいと思っています。」
僕の意見としては、
目立つ人は常に見られていると思うことが大事で、
シンボリックな人の行動や振る舞いで、
会社の色や品格が定義されると思っているんです。
ちょっと僕の話なんですけど、
僕は実は歩きスマホをしないように気をつけています。
なぜなら、どこで誰に見られているか分からないからです。
「ちゃんとしよう」という有名税を常に払っているんです。
シンボリックな人は、有名税を負担しなければならない。
これが僕の意見です。
人の目に立つ人や影響力のある人は、
影響力がある対価として有名税を払わなきゃいけない。
そのことを知って、己を律する必要があると思っています。
最近は徹底しきれていない部分もありますが、
土日に会社に来る時も、なるべくスーツで来ようと思っています。
休日出勤している時は、ラフな格好で来てもいいのかもしれません。
でも「高橋さんがラフな格好で来ている」と見えるのは、
あまり良くないじゃないですか。
自分が毎日スーツを着ることさえしておけば、
有名税という税金を払っているのかもしれないですけど、
それによって社内のみんなの見る目が変わるのであれば、
そうするべきなのかなと思っています。
これは、影響力のある人の宿命なんじゃないかなと思っています。
最後に──届いた声には、ちゃんと返す
このラジオを聞いている人に言っておくと、
僕はコミュニケーションとか質問されることを負担に思っていません。
むしろ、ラジオで喋ることが増えるのでありがたいです。
ネタが増えるので、非常にありがたいとすら感じています。
僕は、手も頭も口も早い方だと思っているので、
質問が来たものにすっと返すぐらいのことは、全然労力に感じないんです。
だから、バンバン質問してくれればいいんじゃないかなと思っています。
ラジオで回答していきます。
質問する場がないとか、伝える場がないと感じているなら、
こういった場所で言ってもらえればいいと思っています。
僕は質問されることを負担には思っていませんし、
返ってきたら嬉しいという気持ちも分かるので、必ず返そうと思っています。
ぜひ質問してください。
話し手
高橋 翼
株式会社アーラリンク代表取締役社長
2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。

