今回は、社内広報から寄せられた3つの質問に答えます。
管理職に必要なのは、成果だけではなく「会社の人になる」という考え方。採用担当に求める実力やコミュニケーション力、笑顔や挨拶、会社への関心についても率直に話します。さらに、ブックリーディングを大切にする理由と、それが人や組織の成長にどうつながるかについても語ります。
質問① 管理職になるまでの過程や基準は何ですか?
今回は、朝礼での質疑があまりなかったので、
社内広報から「僕にぜひ喋ってほしい」という質問をいただきました。
その中から抽出した3つに答えていきます。
管理職になるまでの過程について、明確なものを示すのはなかなか難しいです。
大きな成果を残すことや、大きな成果を残せるというところが、
一つの過程になるんじゃないかなと思っています。
大きな成果というのは、例えば部署の中心的な仕事です。
部署を代表するような大きな仕事を、
自走して任せられる状態が近いのかなと思います。
会社をサッカーボールに例えると、
いろいろな人たちが、いろいろな面を守っていると捉えることもできるじゃないですか。
自分の面が抜かれたら、そこから空気が出ていってしまう。
その中で、部下もマネジメントしながら、大きな面を一人である程度守れている。
そういう状態がまず重要なんじゃないかなと思っています。
そういった結果を残して、
初めて「管理職を検討できるかな」という感じになると思います。
では、管理職になる基準は何か。
会社の管理職になるということは、
「会社の人になる」ということだと思っています。
僕もアーラリンクの代表取締役ですけど、
僕という個人のリソースを使って、
「社会や会社のために最大限尽くす」というのが、
自分のミッションだと思っているんですよね。
極端に言えば、今言ったことは『僕の人生』と言ってもいいかもしれないです。
ここだけ聞くと、よく分からないと思うんですけど、
二項対立するのが個人の利益だと僕は思っています。
知らず知らずのうちに個人の利益を優先しているとか、
個人の利益に走ってしまっているケースってあると思うんですよ。
ジョハリの窓で言うと「盲点の窓」かもしれないですね。
要は、自分は気づいていないけど、他の人には見えているという状態です。
管理職になると、権利や権限をたくさん持つので、
その権限を社会や会社のために使えるということが一番大事だと思っています。
その権限を、自分の利益のためとか、自分が心地よくなるためではなくて、
会社や社会のために使えるかどうか。
僕はそこを一番見ています。
この基準は、僕が特別なことを言っているわけではありません。
経営の神様と言われるドラッカーが『マネジメント』という本で、
同じようなことを言っています。
僕は、人柄とか言動がぶっきらぼうで、変な人だと思われがちですけど、
僕が言っているロジックって、すごく教科書通りなんですよ。
アーラリンク以外でも、管理職や上位の階層を目指す人がいるのであれば、
やっぱり「会社のため」「社会のため」に動けることが大事です。
二項対立する「個人の利益」に走らない。
というより、もはや個人の利益と、会社のために尽くすことが、
ちゃんとハマっている状態の方が適切かもしれない。
自分という人生のリソースを使って、自分が楽しくやる。
一生懸命仕事をしていたら、
自分個人の利益も満たせるし、世の中の利益も満たせている。
そういう状態が一番いいんじゃないですかね。
そういう人が、管理職をやるべきなんじゃないかなと思います。
質問② 採用部に行くためには何が必要ですか?
採用をやりたい人って、結構多いんですよ。
これは1つ目の話ともつながりますけど、まず前提として、
「採用は会社の利益のため」
「学生や求職者の利益を満たすためにやる仕事である」
ということは置いておいてください。
その上で言うと、まずシンプルに『エースみたいな人』が行くべきです。
「エースって何ですか?」と言った時に、
例えば新卒で言うと、アーラリンクには昇格基準が明確にあるので、
早く昇格している人は一つそれに該当するかもしれないです。
早い人と遅い人で「どっちの方がエースの可能性が高いですか」と言ったら、
普通は早い方じゃないですか。
だから、エースっぽさというか、
「仕事ができる感」というのは会社としてまず見ています。
なので、採用を本当に心の底からやりたいという人がいるんだったら、
「私は仕事ができるんだぞ」というのが僕に届くように、
アピールしてもらえるといいんじゃないかなと思っています。
これは絶対ですね。
あともう一つが、人と喋る仕事なので、
人に影響を与えるような人であるという要素もすごく見ています。
これを聞いている皆さんも就活をしたことがあると思うので、
いわゆる「イケてる人事っぽい人」って何となく分かると思うんですよ。
特有の風貌というか、匂いというか、
雰囲気ってあると思うんですよね。
僕自身が見るポイントで言うと、3つあります。
①人と上手に会話ができること
相手が喋りたいことの意図を汲み取る。
ただ意図を汲み取るだけじゃなくて、
「ここを刺激したら、この人は嬉しいんだろうな」
「ここに魅力を感じてもらえるんだろうな」と考える。
相手が伝えたいことや心理を読むのもそうだし、
こちらが発する言葉も、相手のことを理解した上で、
「こういうことを言うと伝わるんだろうな」
「刺さるんだろうな」ということが、分かった上で会話ができる。
そういう能力です。
おしゃべりをしているように見えるかもしれないですけど、
高度で知能的な駆け引きなんですよね。
そこには、ある種の頭の良さとか、察する力が絶対必要です。
②人対人だからこそ、その人の雰囲気
第一印象で9割勝負が決まっているような世界だと思うんですよ。
笑顔がいいとか、声が大きくてハキハキしているとか。
人事が持っていなきゃいけない要素ってあると思うんですよね。
僕は一番早く会社に来て、会う人、会う人に挨拶しますけど、
その人の挨拶の仕方で「誰が一番人事っぽいか」というのを毎日見ています。
言わないですけど、心の中での人事ランキングは、すでに存在しています。
一緒に仕事をしていて気持ちがいいなっていうのがすごく大事ですよね。
採用部を希望しているのであれば、
同期とか、社内の中で笑顔と挨拶で絶対一番になるっていうのが最短攻略ルートですね。
③会社が好き、仕事が好き、事業が好き
会社を語る時に心から楽しそうに喋れるっていうのが大事かなと思います。
例えば、質問を送ってくれているかどうかも、すごく見ています。
質問してこない人って、会社のことをそんなに好きじゃないんだろうなと思ったりします。
もちろん、何となく会社を意識していたら絶対質問する、という話ではないです。
ただ、社員が話していて、会社のことを一生懸命考えていたら、
「こういうことを聞きたい」とか「こういう感想を逆に伝えたいな」とか、
何かあるじゃないですか。
当事者意識がある人だったら、そうしていると思うんですよ。
自分から会社のことをどんどん知ろうとする姿勢が、
行動として出ているというのは絶対あるんじゃないかなと思います。
結構、基準が高くなっちゃいましたけど、そこを目指すことが大事です。
誰もがなれるわけではないです。
質問③ ブックリーディングを大事にしている理由は何ですか?
理由① 本を読む習慣を身につけてほしい
これは『行動変容』『習慣変容』ですね。
ブックリーディングがあるから、本を読もうという気になる。
本を読む社会人と、本を読まない社会人だったら、
数年後にどえらい差になっていると思います。
文字を読むことができる社会人に、みんななってほしい。
それがまず一番あります。
理由② ブックリーディングの空間が好き
ブックリーディングは、自分が考えていることを表に出すので、
1on1とも違うんですけど、思想共有の場になっている。
この場が結構好きですね。
相手が何を考えているかがよく分かります。
ブックリーディングは、
かなりファシリテーターの能力が大事だと思うんです。
いいファシリテーターがちゃんと場を回してくれていれば、
普段なかなか話せないような課題も話題に取り上げて、
「もっとこうすべきだ」「こうした方がいい」と、活発な議論ができます。
それが副産物的にあるんですよね。
理由③ 仕事ができる・できないというのが分かる
ちゃんと準備してきたか、してきていないかも含めて、
仕事への取り組み姿勢が結構分かる。
こういうところも、採用や人事評価をする時の一つのネタになっています。
それから、ファシリテーターの仕事ぶりを見るというところにも、
すごく役に立っていると思います。
例えば、同じ本を5グループでブックリーディングします。
そうすると、優秀なファシリテーターのやり方と、
そうではない人で、やっぱり差があるなというのが分かるんですよね。
そこで、優秀な人になってほしいからフィードバックが生まれたりもします。
ブックリーディングって1時間ぐらいだと思うんですけど、
その1時間をいい感じにデザインするのって、
ビジネスの総合能力が高くないと無理じゃないですか。
だから、そこで総合能力が問われる。
そうすると、また本を読もうとなるんですよね。
それこそ、ドラッカーの『マネジメント』を、
3カ月かけて今の管理職でブックリーディングをやったことがあります。
管理職の彼らは「すごく血肉になった」と言ってくれたりもしたので、
やっぱりやった方が良かったなと思います。
そしてチームの輪も良くなりますよね。
あとは、自分が一人で読書している時も、
読んで終わりじゃなくて、
読書から問いを立てるというのは結構重要かなと思っています。
「このフレーズ、すごく良かったな」
「これについて、ちょっと自分でもっと考えてみたいな」
と思ったことについて、勝手にワークする。
僕も結構やっています。
本に書いてあることを深めて考えることによって、
その本を読んだ価値がやっと生まれる。
読んだだけだと、書いてあることなんてすぐ忘れちゃったりしますからね。
だから、しっかり考える。
次の行動を変えていく。
そういうことがすごく大事なんじゃないかなと、いつも思っています。
あと、ブックリーディングのワークは、
ファシリテーター自身が解くというのも、すごく大事だと思っています。
ファシリテーターが自分で解くことによって、
そのファシリテーターの高い基準をまずメンバーに伝える。
メンバーがそこについてくる。
それもすごく大事ですよね。
話し手
高橋 翼
株式会社アーラリンク代表取締役社長
2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。

