社長や社員が顔を出さないのは、もったいない?
お客様には透明性を求めるのに、自分は表に出たくない。そんな矛盾から、顔を出して発信する大切さを語ります。
さらに、社員からの「他部署の仕事が見えない」という声をきっかけに、部署間のコミュニケーションについても深掘り。オンラインで済む時代に、あえて社員を集める「ネオ朝礼」に込めた狙いとは。
なぜ社長も社員も表に出たがらないのか
最近、ちょっと疑問に思っていることがあるんですよ。
同業他社の人たちって、社長も社員も全く表に出てこないんですよね。
たまたまホームページを見る機会があって、
「そういえば、この人たちの顔って見たことないな」と思ったんです。
一方で、僕はこのラジオも含めて、表に出ているじゃないですか。
今って、すごく透明性が大切な世の中だと思っているんですよ。
どんな人が運営しているのか、何を考えているのか。
そういう思いや共感が商品を選ぶ理由になったり、
顔が見えることで安心感につながったりする。
だから僕は、顔を出して、ちゃんと説明することにこだわっているんです。
同業他社がそれをやっていない時点で、うちは一歩リードしているなと思っています。
逆になんでやらないんだろうって、
やらない側の気持ちを考えるのも結構面白いなと思っていて。
例えば、うちでもXを運用している社員がいるんですけど、
その社員が長期休暇を取ることになった時に、
「中の人がこういう理由で休んでいますって発信したらいいんじゃない?」
と言ったことがあるんですよ。
そしたら「身バレしたくないから絶対に言いたくない」と。
僕なんか、もう身バレのリスクしか背負っていないので、
感覚が麻痺しちゃっていると思うんですけど。
自分のことを世の中にあまり言いたくない人もいますよね。
批判されたくない、叩かれたくない、特定されたくないとか。
そういう理由で社長も表に出てこないのかなと思ったんです。
ただ、表に出たくないのと、積極的に発信したくないのは別の話なんですよ。
僕だって、自分からFacebookやInstagramで発信したいかと言われたら、
別にそこまで思わないんです。
面倒くさいとか、投稿を考えるのが嫌だとか、そういうのはあるんですけど。
でも、社員のみんなが僕の投稿を作って、
最後に僕がチェックして「いいよ」と言うだけだったら、
別にやってもいいと思っているんです。
だから、自分から発信したいかどうかと、
表に出ることを受け入れられるかどうかは別の話なんですよね。
面白いなと思うのは、
みんなサービスを選ぶ時には透明性を求めるじゃないですか。
例えば、農家さんの顔が載っているバナナとか。
誰が作っているのか分かると、なんとなく安心するじゃないですか。
なのに、自分が信頼されるために表に出るのは嫌だっていう人がいる。
自分は透明性を求めるのに、自分自身の透明性は上げたくない。
これって結構、矛盾しているなと思うんですよね。
社員ならまだわかりますけど、社長が出ないのは、
すごくもったいないなって思うんですよね。
だから、僕はもっともっと前に出ようかなと思っています。
TikTokとかも始めた方がいいんじゃないかって言われたりするんですよ。
ただ、変にエゴサーチしないとか、
自分なりのルールを持っておけばいいような気もするんですけどね。
質問 部署を超えて協力し合うには?
「日頃業務を行う中で、他部署がどのような仕事やタスクを抱えているかが見えづらいと感じています。部署を超えてお互いの状況を理解し、協力し合える組織にしていくためには、どのような取り組みや工夫があるといいと思われますか?」
これは、古来から言われていることですし、
意外と僕が大事にしていると言うと驚かれることもあるんですけど。
コミュニケーションですね。
僕って、コミュニケーションをしない人だと思われているかもしれないですけど、
実はすごく大事だと思っているんです。
コミュニケーションって、ものすごく時間がかかるじゃないですか。
一見無駄に見えるからカットしたくなることもあると思うんですけど、
それをやってしまうとうまくいかない。
だから、王道にしてすごく遠回りなんですけど、
みんながちゃんとコミュニケーションを取ることが大切だと思っています。
ただ、誰が今忙しくて、誰が困っているのかって、
なかなか本人が発信しないじゃないですか。
だから周りも分からないという状況はあると思うんです。
うちでは毎朝、朝礼をやっているので、
そこで「今ここがすごく忙しいです」とか「人が足りなくて余裕がありません」とか、
そういうことが言葉として出てくるといいのかもしれないですね。
僕自身はみんなの話を聞いている方なので、
情報が入ってきて満たされちゃっているんですけど、みんなはそうじゃない。
今回の質問で、そこは確かにそうだなと思いましたね。
だから、僕が代わりに伝えるんじゃなくて、
当事者が自分たちの状況を発信した方がいいと思うんです。
朝礼で何を話してほしいかについても、社員のみんなから意見をもらえたらいいですよね。
朝礼のアジェンダを見直してみてもいいのかなと思います。
例えば、今週はこういうタスクがあって、こういう目標で動いていますとか。
今ちょっとチームの人数が足りないので、
採用活動をしながらこういうことをやっていますとか。
細かいプロジェクトの話まで全部する必要はないですけど、
みんなが少しずつ共有できると、情報の通りが良くなるんじゃないかなって。
だから、明日の朝礼で、逆にみんなにちょっと聞いてみようと思いました。
あえて対面に切り替えた「ネオ朝礼」
実は最近、アーラリンクの朝礼を「ネオ朝礼」にアップデートしたんですよ。
うちの朝礼って、大阪も含めて50〜60人くらいが参加するんです。
これまでは、東京にみんないるにもかかわらず、オンラインでやっていたんですよね。
でもオンラインだと、LINEの通知が来たり、
目の前で誰かが話しているのに違うところに意識が向いちゃったりするじゃないですか。
朝礼に15分という時間を使っているのに、
そのコミュニケーションの質が低いなと思っていたんです。
そこで、東京の社員を同じ場所に集めて、オフラインの朝礼に切り替えたんですよ。
やっぱり、その場にいると話を聞くことに集中せざるを得ないんですよね。
目の前に話している人がいて、ほかのことに気を取られにくいですから。
情報の伝わり方は、かなり良くなったんじゃないかなと思っています。
それと、僕が大事だと思っているのは、
みんなが同じ場所で同じものを見ていることなんです。
組織って、人が増えると一人ひとりの意識がバラバラになっていくじゃないですか。
もちろん、多様性はいいんですよ。
でも、みんなで一つのものに向かわなきゃいけない時に、
意識がバラバラだとパワーが逃げちゃうと思うんです。
だから、みんなの意識を一つに集める場とか、空気とか、
環境を作ることって、すごく大事だと思っているんですよね。
50人が一度に集まって、朝礼が終わったらバラバラと駆け足で戻っていく。
これまでオンラインでやっていた朝礼を、
わざわざオフラインに切り替えるのって、まあまあパワーが必要だったんですよ。
でも、社員が増えれば増えるほどやりにくくなるので、
やるなら今だなと思って始めました。
大阪はさすがにオンラインのままです。
部署ごとの朝礼も別にやっていますけど、
会社全体でも朝礼をやって、みんなで目線を合わせることを大事にしています。
会社の一員であるという意識づくり
僕は、ほかにもやりたいことがいっぱいあるんですよ。
例えば、今すごく推奨しているのが、社員のみんなに会社の携帯を使ってもらうこと。
自社の製品を、ちゃんと自分たちで使うということですね。
あとは、まだ全然やっていないですけど、
共通の社員証を作って、みんなが身につけるとか。
会社のアイデンティティになるようなものを作って、
みんなが会社の一員であることを感じられる環境にしていきたいんです。
それって、結構強烈な環境になると思うんですよ。
もちろん、その環境が合わない人もいるかもしれないですけど、
そういう人は自分に合う環境に行けばいいとも思っています。
僕は、組織の血が濃くなった方が、絶対に事業はうまくいくと思っているので。
今回のネオ朝礼も、その一環なんです。
ただ、昔は朝礼で一人ひとりに「昨日何した?」
みたいなワンワードを話してもらっていたこともあるんですよ。
あれって、空気は良くなるんですけど、ちょっとぬるくなることもあるじゃないですか。
僕はそれがあまり好きじゃないので、今は業務の報連相を中心にしています。
各部署の代表が今やっていることを話したり、
質疑応答をしたり、いろんなことをやっていますけど、
今回質問してくれた社員が感じているように、
まだまだコミュニケーションは足りないんですよね。
コミュニケーションって、すごく時間がかかるんです。
例えば、昨日も言ったことを今日また言わなきゃいけないとか。
本当は、そういうのはなくした方がいいじゃないですか。
一回言えば伝わるのが理想ですよね。
でも、実際には一回言っただけで全員にすっと伝わるわけじゃない。
だから何回も同じことを言うことになるんですけど、
それってすごく時間を取られるんですよ。
だったら、誰かが話している時に、
みんながちゃんと聞ける環境を作ることが大事なんじゃないかなと思っています。
だから、オフラインで集まって、一回でちゃんと聞ける環境を作る。
それが結構大事なんじゃないかなと思っていますね。
話し手
高橋 翼
株式会社アーラリンク代表取締役社長
2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。

