今回は、社員から届いた5つの質問に答えます。
毎日の日報では何を振り返っているのか。組織改革はどんなタイミングで行うのか。そして、なぜ若いうちは「量を追ってほしい」と考えているのか。
読書やAI、社会課題の話も交えながら、普段の仕事や経営で大切にしていることをお話しします。
質問① 日報で意識していることは?
日報で「ここだけは絶対に振り返る」など、意識されていることはありますか?
日報はメモ的な感じで使ってることが多いです。
「今日やったこと」「今日の学び」「今日楽しかったこと」
それと「無駄な時間はなかったですか?」という問いを解くようにしています。
学びは大事ですね。
どんなに辛くても、毎日一個は学びを出すようにしています。
「今日楽しかったですか?」という質問も結構大事にしてますね。
楽しかったことを振り返ると、
ストレスがなくなっていく感じがあるので意識的にやっています。
一方で、週報は2時間くらいかけて書いています。
自分自身の気づきや学び、事業の学びみたいなものを、
一日単位ではなく一週間単位で振り返って、学びを探す。
あとは、自分の夢とかワクワクすることを書き留めることもあえてやっています。
週報は管理職以上の社員にも書いてもらって、
月曜日に1時間くらい読み合わせをしているんです。
これが結構良くて、僕も自己開示しますし、みんなにも自己開示してもらう。
相互理解を高めていく儀式的な感じですね。
「今、自分はこういうことで悩んでいる」とか、逆に「ここは成長した」とか、
そういうことをシェアする中で、目線を合わせたりしています。
質問② 本を読む時に意識していることは?
本を読む時に「これだけは気をつけて読む」ということはありますか?
本を読む時に意識していることはいくつかあります。
①つまらなくなったら、その本を読むのをやめる
僕は結構、本を折る派なんですよ。
気になったページを折って、
最後まで読み終わったら、折ったページをもう一度読み、
「ここが学びだったな」ということをNotionに書いていく。
だから一冊の本を1.5周くらいする感じですね。
逆に、30ページくらい読んでも折りたいと思うページがなかったら、
「もうこの本は終わりでいいんじゃないか」という一つの判断にしています。
面白ければ、自然と折りたいページが出てくるので。
②読んだ本の学びは「読書メモ」としてNotionに残し、行動につなげる
例えば「もっと口コミを取りたいな」と思った時に、
過去に口コミについて書かれた本を読んでいれば、その読書メモを見に行く。
読書メモに「口コミを取るための6個のエッセンス」みたいなことが書いてあって、
「そうだ、この6個だった」と思い出して、
じゃあこの6個を使って何をしたらいいかなと考える。
本そのものを読み返すことは、あまりないですね。
僕が本を読む理由は、その本から学びを抜くためです。
読書メモには自分が学んだことが書いてあるので、
そこを見れば効率よく情報を取り出せると思っています。
質問③ 組織改革をするタイミングは?
組織改革を定期的に行っていますが、改革を行った後、しばらくしてまた改革があるように感じます。頻度の設定はあるのでしょうか?また、高橋さんの中で「方向を変えなきゃ」となるきっかけがあれば教えてください。
組織改革は定期的にありますけど、
まず伝えたいのは、組織改革を目的にしたことはないということです。
じゃあ、組織改革は何のためにやるのか。
これはやっぱり、事業のために組織がある。
僕はこれが絶対だと思っています。
事業がうまくいっていないとか、
もっと事業をうまくいかせたいから組織をいじる。
その前提がまずあるんじゃないかなと思います。
組織は事業のために存在しているんです。
これをみんなの頭に定期的に叩き込む必要があるんじゃないかと。
だから、組織は手段でしかない。
「なんで手段を変えるんですか?」と言ったら、
目的を達成するために手段を変えているという話なんですよね。
お客様への価値をもっと良くするために組織を変える。
今の組織ではそこにエラーが起きているなと思ったら、
構造改革をするという感じです。
もちろん小さな改善もちょこちょこやっていますけど、
僕がわざわざ出てきて変える時は、大きな改革をすることが多いと思います。
きっかけになるのは、日常の違和感ですね。
「これ、もっとこういうふうにならないのかな」
みたいなことを普段からストックしています。
今回もCSの変革があったんですけど、ある社員との面談で、
「私、こう思ってるんですけど」という話があったんですよ。
1時間くらい話して「オッケー。絶対なんとかします」と言って終わったんです。
その社員は、たぶん小さな領域に対して改善してほしいと言っていたと思うんですけど、
僕からすると、それまでにもいろいろ溜まっているものがある。
「これを機に、これもこれも全部解決したい」となるんですよね。
社員が求めていたのが1から10くらいの改善だったとしたら、
僕は全方位的に1から100まで全部やる。
いろいろ溜めているからこそ、何かのきっかけで一気にやろうとなるんだと思います。
組織を変える時には、生産性を改善するとか、もっと成長できるようにするとか、
責任や役割を明確にするとか、いろいろな目的があります。
人が変われば、その人がやる業務も変わると思っているので、
「今まではこうやっていたけど、人が変わって能力も変わったから、ここも変えよう」
ということも結構頻繁にやっています。
質問④ 社員にどんな働き方をしてほしい?
社員の働き方について、どうあってほしいと考えていますか?育休や有給は取りやすい会社だと思いますが、残業はとても多いです。高橋さん自身も朝早く来て遅く帰られる中で、社員に求めている理想の働き方があれば聞きたいです。
明確な理想があるわけではないんですけど、
少なくとも若い時はめちゃくちゃ量を追ってほしいと思っています。
アーラリンクに入社する理由は、自己成長のためである。
そして自己成長するためには、
若いうちからめちゃくちゃ量を追う必要があると僕は思っています。
アーラリンクという環境を信じて頑張り続けていれば、
変化が多い時代でも、自分で力をつけて生き残っていける。
そういう力を身につけてほしいと思っているんですよね。
もちろん、めちゃくちゃ働くことで失うものもあると思います。
大変だとか、疲れるとか、体力や時間を使うとか。
一方で、得られるものもある。
5年後、10年後に周りがゆっくりに見えるとか、
周りが言っていることのレベルが低く感じるくらい自分が成長しているとか。
そういう成長を、社員にギフトしたいと思っています。
有給については、権利なので休みたかったら休めばいいと思っています。
逆に、そこには口を出しちゃいけないとすら思っています。
ただ、ベースにあるのは、成長できる環境をつくりたいから、
若いうちはいっぱいやった方がいいんじゃないかという考え方です。
「生産性を上げる」という言葉がありますけど、やっぱり量質転化だと思っているんですよね。
最近だとAIを使った効率化も言われますけど、
若い人を見ていると、圧倒的にAIに使われちゃってることもある。
AIはアウトプットをしてくれたり、思考をいい感じにまとめてくれたりします。
でも、AIが答えをくれているわけではないというのも真実だと思うんですよね。
ある程度ビジネススキルがないと、
AIが出してきた情報が正しいのか間違っているのかも分からない。
だから、まずはAIが出してきたものを使って、いっぱい挑戦する。
AIによって挑戦量を最大化することが大事なんじゃないかなと最近は思っています。
AIがなかった時代と比べて、
1時間あたりの挑戦量を1.5倍、2倍にできたら、その分成長するスピードも速くなる。
つまり成長は挑戦量に比例する。
これは絶対的な法則だと思っています。
だからAIを掛け合わせて、
無駄な時間を減らしながら、効率よく、早く、たくさん挑戦する。
そういう使い方ができたらいいんじゃないかなと思っています。
あと、生産性についてもう一つ思うことがあります。
生産性を上げたら、生産時間を減らしていいと思っている人って多いと思うんですよ。
それにアンチテーゼを唱えたくて。
例えば、今の自分の生産性が10で、働いている時間も10だとする。
10×10で100を生み出しているとします。
そこで生産性が10から20に倍になったら、
僕は時間10のまま200を生産すればいいと思うんです。
一方で、働く時間を10から5に減らして、20×5で100をつくるという考え方もある。
それはそれで個人の考え方だと思います。
ただ、僕は世の中に何をつくり出すか、
お客様への価値をどれだけ生み出すかという「生産量の最大化」に価値を置いています。
だから、生産性が上がったなら、その分たくさんの価値を生み出したい。
時間を減らして挑戦量まで減ってしまったら、成長する機会も減ってしまうと思うんです。
だから若いうちは、生産性もめちゃくちゃ上げてほしいし、
その分、たくさん挑戦してほしい。
難しいことにいっぱい挑戦して、いっぱい失敗して、いっぱい成長してほしい。
変化の多い時代でも生きていけるビジネスパーソンになってほしい。
そういう力を、5年後、10年後の社員にギフトしたいと思っています。
質問⑤ 解決したい社会課題は?
BNPL問題などの社会課題をたくさん知っていますが、私たちが解決する対象にしていきたい社会課題には何がありますか?今、最も解決したいと考えている社会課題と、その理由も改めてお伺いしたいです。
BNPLとは『Buy Now, Pay Later』の略で、
「今買って、後で支払う」後払い型の決済サービスのことです。
BNPLが問題というか、
BNPLによって金融ブラックの人が社会に増えてしまっている社会課題があります。
「これを解決したい」という特定の社会課題があるかと言われると、
僕は別にどの課題でもいいと思っているんです。
本質的な欲求としては、世の中のためになればいい。
ただ『Will・Can・Must』で考えると、
「ゴミを減らしたい」と情熱を燃やしても、Canがついてこない。
僕らにはゴミを減らすためのソリューションがないから。
だから、僕らができることの中で社会課題を考えた方がいいと思っています。
例えば、僕らのお客様にとって「支払いに怯えない」社会や環境をつくる。
支払いがあるけど払えない。
「マジでどうしよう」となったら、頭の中がそればかりになってしまうじゃないですか。
それって幸せな状態ではないと思うんですよね。
あるいは、孤独の問題もあります。
人間関係が希薄になって孤独になってしまう。
そういう問題も何とかしたい。
でも、僕は「○○という社会課題を解決したい」
という明確な名前のついたものから考えているわけではないんですよね。
一番根幹にあるのは、お客様が困っていることを解決することです。
お客様の課題を解決して、それを社会に紐付けると、
「これはこういう社会課題だよね」となる。
社会の課題を探して解決しているんじゃなくて、
お客様一人ひとりに起きていることを見て、それを社会と紐付けて話しているんです。
僕は社会を変えたい、社会を良くしたいとは当然思っています。
でも、社会の方を見ているんじゃなくて、お客様の方を見ながら社会と接続している。
一人のお客様の困りごとを解決して、
それが複数のお客様、さらに社会の困りごとにもつながっていく。
僕がやっているのは、そういうことなんだと思います。
Will・Can・Mustで言うと、僕はCan、できることから入っているんだと思います。
できることから始めて、
それがどんな社会課題の解決につながっているのかを後から接続していく。
ある種Willは、そのCanの先に置いているというか、
できているみたいな感覚はあるのかもしれないですね。
本当のWillは「社会のためになればいい」くらいしか思ってないんですけど、
それをちゃんと社会と接続しているという感じなんだと思います。
これは、社会起業家を目指している人にも言いたいことなんですけど、
社会課題から入るんじゃなくて、N1のお客様の課題から入った方がいいと思っています。
それを最後に社会課題へ紐付けてあげればいい。
じゃないと、ローンチする時にマーケティングができないと思うんですよね。
「この社会課題を解決したい」となったとして、
「じゃあ、それを求めているお客様のインサイトはどこにあるんですか?」
と聞かれた時に「お客様のインサイトは分かりません」となってしまう。
それだと、ものが売れない。
社会課題をストレートに解決しようとするより、
まずビジネスから考えた方がいい。
例えば、孤独なおじさんがいるとして、
その人にはどんなインサイトがあって、何を欲しがっているのか。
「これだったらお金を払ってくれるよね」というところから考える。
その結果としてコミュニティができて、孤独が解消されるのであれば、
後から「これは孤独という社会課題を解決しているよね」と社会に紐付けることができる。
僕は社会のニュースやトレンドも一応頭に入れるようにしています。
「世の中ではこういう論調があるな」
というものをポケットに入れておいて、後から自分たちがやっていることと接続する。
なので、社会課題の解決をしにいっているというより、
お客様の課題を解決して、そこに社会を後から乗せているんですよね。
社会とつなげると、納得が得られやすくなるので、
そういうプレゼンをしているだけであって。
でも、本質的に考えているのは「社会」よりも、一人のお客様のことです。
アーラリンクがここまでやってこられたことを考えると、
もしかしたら、そのアプローチで良かったのかもしれないですね。
話し手
高橋 翼
株式会社アーラリンク代表取締役社長
2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。

