料金を上げさえすれば誰でもできる。でもそれじゃ“誰でも”じゃなくなる。
営業時代の葛藤、携帯を持てなかった原体験、そしてランチェスター戦略との出会い。数字を追い続けた飛び込み営業の毎日から、「ありがとう」と言われる仕事がしたいという想いから始まった事業。縛れば成立する仕組みをあえて選ばず、誠実でいることを貫くという決断が、アーラリンクの「誰でもスマホ」を生み出しました。Whyから始まった、人と違う道の挑戦を語ります。
理由の言語化
「なんで誰でもスマホができるのか」って、ここ2回くらいずっと話してきました。でも正直、説明って難しいんです。 別に特別なことをしているわけじゃなく、料金を上げさえすれば、誰でもできるんですよ。でも料金を上げたら「誰でも」じゃなくなっちゃうじゃないですか。だから僕はずっとモヤモヤしていましたし、この3月に向けて価格改定をして、本当に「誰でもっぽい」商品サービスになりつつあって、今は嬉しいなと思っています。
やらない選択が、僕らの戦略
ちょっと業界的な話なんですけど、「誰でもスマホ」要はリスタートモバイルを成立させる方法って、他にもあるんですよ。僕らは絶対にやらないですけど。
例えば、単価を上げる。 利用を縛る。解約できない契約にするってやつですね。LTVを上げにいくやり方です。僕らも短期で解約されると正直きついです。でも携帯業界って2年縛りが横行してたじゃないですか。でも今は総務省の流れもあって、一定以上のシェアを持つ会社は基本的に2年縛りはダメなんですよ。僕らは法律上は縛ってもいいんですが、世の中の流れがそうじゃない中で、お客さんを2年縛るのはなんか違うなと思ってやらないようにしています。
あとは固定費を削る方法。 ホームページに電話番号を載せないとか。あれ、めちゃくちゃコストかかるんですよ。でも問い合わせがすぐできないってどうなんだろうって僕は思うんです。メールアドレスを持っていないと問い合わせができないとか、やっぱり困るじゃないですか。電話ですぐ解決できることが大事だと思うんです。
店舗を持たないっていう選択肢もあります。人件費も削れる。でも契約後に何かあったとき、機械が故障したとき、相談できる場所がないのは困ります。
コンビニ決済もそうです。手数料がどれくらい上乗せされているか、ちゃんと見てほしいなと思います。急いで契約して、安そうに見えて、コンビニで払ったら1500円くらい上がってるとか、全然値段違うじゃんってなるんですよ。だから契約前にちゃんとチェックしてほしいなって。そんなことを全部クリアしながら、僕らは「誰でもスマホ」をやっているんです。
営業時代の葛藤
「なんで誰でもスマホをやっているのか」という話ですよね。理由はシンプルじゃないです。いくつかあります。まず、自分が携帯を持っていなかった時期があるんです。大学生のときですね。あの不便さは本当に分かるんです。
それと、大学時代にNTTとかKDDIの通信会社の代理店営業をやっていたんですよ。当時、営業マンとして、やんちゃで結構ひどかったです。ノルマを取れって言われて、とにかく数字を持ってこいって。やっちゃダメと言われていることも、グレーな感じでみんなやっていて誠実じゃなかったです。別にやりたくてやってたわけじゃないんです。怒られたくない、自分の弱さが出てただけでした。ずっと新規の飛び込み営業で、正直しんどかったです。だからもう営業したくないって思っていました。
「ありがとう」と誰かに感謝される仕事がしたい。お客さんとの関係が続く仕事がしたい。人の役に立ちたい。そして起業しました。
人と違うことをやりたい性格
「人と同じことをしてちゃダメだ」って、潜在的に思っているんです。だから起業したときに何百冊もあるビジネス書の中から、『漫画で分かるランチェスター戦略』を手に取りました。普通は松下幸之助とか、経営論とか読むじゃないですか。でも僕は「小さい会社がどう勝つか」から入ったんです。
人と違うことをしたい。 世の中にないことをやりたい。 大手がやらないところをやりたい。それが結果的に、「誰でもスマホ」という形になりました。
誠実であるという覚悟
ランチェスター戦略は全部解決してるなって思ったんですよ。 営業しなくていい。お客さんとの関係が続く。しかも人の役に立てる。ありがとうって言ってもらえる。僕が営業でずっと感じていたことが、全部回収されるビジネスモデルだなって思いました。
営業経験がなかったら、多分やっていないと思います。 もしすごくいい会社だったら、そのままそこにいたかもしれないですし、もしかしたらグレーなことをずっとやり続けていたかもしれない。お金の魔力に負けてた可能性もあるじゃないですか。でも僕は、あのときの経験があったからこそ、「まともなことをちゃんとやり続けたい」「自分が嫌だと思ったことはやらない」って決められたんです。
事業会社って、誠実中の誠実でなきゃいけないと思っているんですよ。 嘘をつくとか、もう発想としてありえないです。どれだけ透明でいられるか。どれだけ正直でいられるか。そこを突き詰めていくのが、僕の中の経営です。やりたいことをやれている感覚はありますね。
なぜ「誰でもスマホ」をやるのか
営業で誠実じゃない自分が嫌だった。 ありがとうと言われる仕事がしたかった。お客さんと関係が続く仕事がしたかった。 携帯がない人の不便さを知っていた。人と違うことをやりたかった。
この全部が掛け算になって、今のアーラリンクの「誰でもスマホ」があります。分かりやすく言うとこれが一番強い理由じゃないかなと思います。
話し手
高橋 翼
株式会社アーラリンク代表取締役社長
2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。

