厳しさから入るんじゃなくて愛することから
厳しさと愛情は反対のものじゃないと思っています。むしろ同じ場所にあるものだと思うんです。社員を愛せていないから厳しくできない。自分の子どもだったらどうするか、という問いを突き詰めていく中で、そんな結論にたどり着きました。育成やマネジメントに悩んでいる人にこそ、聞いてほしい話です。
- 目次
- 厳しくできない上司が増えている
- 自分の子どもだったらどうする?
- 新卒も誰かの子ども
- 血のつながりの問題じゃない
- 愛情があるから厳しくできる
- 仲良くすることと愛情は違う
- 愛するって決める
- 嫌な感情は上書きできる
- 愛情は自分の意思
- 信長と秀吉の話
- 採用してなくても愛せる
- 厳しさと愛情は同じ量
- 厳しくない=愛してない?
- 厳しさからじゃなく、愛から
厳しくできない上司が増えている
最近気づきがあって、みんな“厳しくできないこと”に悩むんですよ。上司と先輩の違いって、問いを投げるとか、仕事を与えるとか、簡単に手伝わないとか、厳しさを持つことだと思うんですけど、そこができないって本当に多いんですよね。
正直、なんでだろうって最初は思ってました。
自分の子どもだったらどうする?
そこで聞いたのが「自分の子どもだったらどう?」って話でした。すると、みんな口を揃えて「自分の子だったら厳しくします」って言うんですよ。
野菜も食べさせるし、勉強しろって言うし、ダメなことはダメって言う。
でも社員には言えない。その差って何なんだろうって考えたんです。
新卒も誰かの子ども
新卒で入ってきた社員って、社会人としては子どもみたいなものじゃないですか。でも実際にはちゃんと親がいて、育てられてきた誰かの大事な子どもなわけです。その親の立場で考えた時、今の自分の関わり方って誠実なのかって結構重たい問いだと思うんですよね。
血のつながりの問題じゃない
「血がつながってるから厳しくできるんですか?」って聞くとみんな黙るんですよ。たぶん違う。血がつながってるかどうかじゃなくて、そこに愛情があるかどうかなんだと思ったんです。
愛情があるから厳しくできる
僕が出した答えはシンプルで、「愛情」でした。自分の子どもには自然と愛情がある。でも社員には、その愛情を持とうとしていないだけなんじゃないか。社員をちゃんと愛せたら、厳しさって自然と出てくるものなんじゃないかなって思ったんです。
仲良くすることと愛情は違う
ここは結構きつく言ったんですけど、みんながやってるのって「愛情はないけど仲良くしてる」状態じゃないですかって。嫌われたくないから優しくしてるだけ。それって誠実なのかって話で、正直ちょっとサイコパス的だなって思ったんですよね。
愛するって決める
最近すごく思っているのは、「愛する」って感情は自然に湧くものじゃなくて決めるものなんじゃないかってことなんですよね。対象が何であれ愛そうと思えば愛せるんじゃないか。社員もお客様も取引先も家族も。対象がどうだから愛せる、愛せないって話じゃないと思うんです。
嫌な感情は上書きできる
最近やってることが、嫌な感情が出てきた時に心の中で「愛してる」って唱えるんですよ。例えば家で、洗い物してる時に「犬のトイレ片付けて」と言われて「うわ無理だな」ってモヤっとした時とか。そういう時に心の中で「愛してる、愛してる」って何回か言うと、だんだん気持ちが落ち着いてくるんです。
仕事でも同じで「ちょっと面白くないな」とか感情が荒れそうになった時に、「よし、これは愛してるぞ」って思うだけで相手への接し方が変わるんですよね。
ある種のマインドフルネスみたいな感覚です。
僕は結構効くと思っていて、実際かなり実践してます。
愛情は自分の意思
愛するか愛さないかって、結局自分自身の問題だと思うんですよ。対象がどうだから、相手がどうだからっていう話じゃなくて、自分がどう決めるか。自分の子どもだから愛せるとか、自分のテリトリーだから愛せるってやってると、結局その範囲の人にしか影響を与えられないと思うんです。
信長と秀吉の話
これ、前にも話したかもしれないですけど、僕ずっと自分は織田信長タイプだなって思ってたんですよ。でも信長って天下取れないじゃないですか。だから豊臣秀吉的な要素も必要だよなって、ずっと葛藤してた時期があって。哲学書読んだりしながら、だんだん消化されてきたんですけど、その中で「人を愛する」って要素がすごく腑に落ちたんですよね。
採用してなくても愛せる
今は採用を手放してますけど、それでも関係ない。自分が採用したかどうかじゃなくて、自分が愛情を向けるかどうか。それだけなんですよね。
愛情が溢れてる人って周りに特別可愛いものがあるわけじゃなくて、ただ愛を持って接してるだけなんじゃないかなって思います。
厳しさと愛情は同じ量
厳しいってよく言われるんですけど、最近は同じ量だけ愛情を持とうって決めてます。厳しい基準は絶対下げないけど、絶対に見捨てない。これを決めたら、すごく自己肯定された感じがあって、気持ちがすごくすっきりしたんですよね。
厳しくない=愛してない?
これを組織に広げていくと、「厳しいこと言ってくれないってことは、愛してないってことじゃないですか?」みたいな空気を作るのもアリだなって思ってて。ここは僕のちょっと悪いところかもしれないですけど「興味ないから言わないんですよね」っていう文化を作ると、上司の方が愛情を持たざるを得なくなる。
厳しさからじゃなく、愛から
今の僕の結論は、厳しさから入るんじゃなくて、愛することから入った方がいいってことです。愛情があれば、厳しさは自然とついてくる。愛情を持って、厳しくなろうっていうメッセージです。全部、自分の意思で決められることなんですよね。
話し手
高橋 翼
株式会社アーラリンク代表取締役社長
2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。

