上司は仕事を手伝う人じゃない。答えを出さない人

新年最初の収録で、僕が改めて考えていたのは、上司と先輩の決定的な違いでした。仕事ができて頼りになる先輩は魅力的です。でも、その延長で上司をやってしまうと、人は育たない。上司の役割は技術を教えることじゃなく、キャリアや人生の考え方を伝えることだと思っています。

新年初の収録

収録としては新年一発目。年末年始は箱根駅伝を最初から最後まで見て初詣に行き、本を読んで仕事して…という感じでした。派手なことはしてないですけど、頭の中ではずっと考え事をしてましたね。最近は自分の中で、組織とか人の育て方について言葉にしたいテーマが溜まってきている感覚があります。

 

Podcastから始まった本との出会い

最近はYouTubeよりPodcastを聴くことが多くて、トレンド系とかマーケティング系、ニュース系をよく聞いてます。その中で紹介されていたのが「インザ・メガ・チャーチ」。マーケティングの話とフィットしてそうだなと思って軽い気持ちで買ったんですけど、これがむちゃくちゃ面白かったです。

推し活は心の隙間を埋める行為

この小説は推し活がテーマなんですけど、主人公が3人。全員に共通しているのが心の隙間でした。何かに熱狂したい、寄りかかりたい、その対象が仕事だったり推しだったりするだけなんですよね。人がなぜそこまでのめり込むのか。その構造がすごく腹落ちしました。

メガチャーチに見る熱狂の構造

メガチャーチって毎週2000人規模で人が集まる巨大な教会のことらしいんですけど、実際にやってることは歌って踊って若い人を集める、かなりエンタメ寄りの活動なんですよね。宗教というより、完全に推し活と同じ構造だなと感じました。

物語で人を動かす側の視点

本の帯に「神がいないこの国で人を操るには物語を使うのが一番いい」みたいな言葉があって、結構ゾッとしました。僕は推す側というより完全に運営側、チャーチ側の人間です。だからこそ物語や共感をどう設計するかは、ちゃんと勉強しないといけないなと思いました。

チャーチマーケティングは身近にある

チャーチマーケティングって特別な話じゃなくて、朝礼をオフラインでやるとか、クレドを唱和する、ユニフォームや社員証を作る、全部がその要素だと思ってます。共通のシンボルや空気感を持つことで、人は自然と一体感を持つんですよね。

上司と先輩はまったく別物

最近よく話しているのが上司と先輩の違いです。先輩は仕事ができて頼りになって、一見すると理想のリーダー像です。でもそれは先輩像であって、上司像ではない。ここを混同すると、組織は育たないなと強く思っています。

先輩は答えを出す人

先輩は仕事の技術を教える人です。困ったら助けてくれるし、「こうやればいいよ」と答えを出してくれる存在です。ファンもできるし、憧れられやすい。アーラリンクでも、みんなが思い描くリーダー像って、実は先輩像だったりします。

上司は答えを出さない人

一方で上司は、仕事を手伝わないし、答えも出さない。任せる、やらせる、意思決定を部下に委ねる。それが上司の役割だと思っています。一見すると冷たいし、何もしてないようにも見えますけど、教育者としてはそっちの方が正しいです。

優しい上司は育成を止める

「俺がやっとくよ」って言う上司は、“いい人でいたいだけ”の場合があります。助けているようで、実は自分が気持ちよくなっているだけ。だから僕はそういう上司は部下から「いい人と思われたいんだな」と見られる設計にしています。それくらいでちょうどいいです。

上司が教えるのはキャリア

仕事のやり方や点数の取り方を教えるのは先輩の仕事です。上司が教えるべきなのは、キャリアや人生の考え方です。どこの会社でも通用するスタンス、お客さんの気持ちに立つ姿勢、そういう普遍的な部分を伝えるのが上司だと思っています。

甘さは毒になる

新卒を甘やかすのは砂糖みたいなものです。甘くて美味しいけど、体には毒になる。上司が優しさで守っているつもりでも、その後のキャリアで苦労させてしまう。だから僕は部下の未来を考えて、かなり厳しいことも言っています。

先輩7割、上司3割ではダメ

組織の中に先輩が多いのは悪くないです。でも上司が先輩をやってしまうと、人は育たない。今はその線引きをはっきりさせて、上司は上司の仕事をする、先輩は先輩の仕事をする、その状態を作ろうとしています。

話し手

高橋 翼

株式会社アーラリンク代表取締役社長

2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。