#44 厳しさはトップの徹底度に現れる。論功行賞も例外じゃない。

初めての論功行賞ランチ。その一歩は「できる人をきちんと褒める文化」をつくるための挑戦でした。評価は毎月、目標は20文字で壁に貼る。上司が決め、部下と共有する。結果ではなく遂行で評価し、やると言ったことをやり切る。小さな“徹底”の積み重ねが、会社を動かす原動力になる。

論功行賞を初めてやってみる日

今日、初めて論功行賞をやるんです。表彰とか大事だと思いつつ、ずっとプレッシャーで避けてきたんですよね。10年くらいやってなかったんですけど、このままではもう一生やらない気がして。

だから先週意思決定して、9月に頑張った社員をお昼にランチへ誘いました。サンシャイン60最上階のレストランで景色を見ながらランチをするんです。 

メッセージカードに込めた想い

最初はメッセージを書こうと思ってたんですけど、上司たちから届いた言葉が熱くて、彼らの想いをそのまま渡した方がいいなと思って。

だからオーナーからの金一封と、上司からのメッセージという形にしました。みんなの頑張りを一番近くで見てきた上司の言葉こそ、心に残ると思ったんです。

「頑張った人を称える文化」をつくる

論功行賞の目的は、ちゃんと頑張った人を称える文化をつくることです。努力した人を褒めるのも大事だけど、やっぱり結果を出した人を正しく評価したい。毎月、成果を出した人をランチと金一封で称える。

人事の抜擢や給与アップと並ぶ、「飴」として機能するようにしたいんです。報われる実感があってこそ、人はもっと強くなると思うんですよね。

毎月評価し、目標を壁に貼る

うちは評価サイクルが毎月なんです。一人ひとりが業務の目標と組織の目標を20文字以内で2つだけ設定します。上司が目標を決めて、それを壁に貼るんです。目標を忘れさせないために。

特に上司が毎日それを見ながら「今月このままいけそうか」「てこ入れが必要か」を判断できる。だから評価がぶれないんです。シンプルにするほど、意識が研ぎ澄まされると思ってます。

「絶対やること」を決めて動く

僕のマネジメントラインでは、毎週「今週絶対やること」を1つ決めます。

月曜の会議で確認して、木曜に進捗チェック。これを徹底することで、週のズレをなくすんです。やってなかったら僕が悪い。センターピンの立て方を間違えてる。

逆に社員がズレてないのに成果が出てないなら、僕の責任なんです。いいセンターピンを立て続けることが、経営の基本だと思ってます。

厳しさはトップの徹底度

厳しさって、結局トップの徹底度で決まると思うんです。やるって言ったことを絶対にやる。そこが緩むとカルチャーは崩壊する。優しさって甘やかすことじゃないですからね。

やらなかったら怒るし、「土日何してたの?」って普通に聞きます。それぐらい重要なことなんです。

人事と論功行賞が組織をつくる

ドラッカーの言葉にもありますけど、組織を強くするのは人事と報奨だと思うんです。どんなにソフトなコミュニケーションがあっても、ハードの仕組みがなければ人は育たない。

抜擢・評価・論功行賞。これをちゃんと仕組みにしていくことが、次のフェーズのマネジメントになるんじゃないかと思ってます。今日のランチは、その第一歩なんです。

話し手

高橋 翼

株式会社アーラリンク代表取締役社長

2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。