#34 レベル上げが楽しい!キャリアステップが”見える化”された人事制度
「明確な目標があるから人は頑張れるんですよ」
これまで曖昧だった人事制度を再構築。部署・等級ごとに異なる期待役割、スキルとバリューの両面評価。すべてのステップが具体的に“見える化”され、育成と報酬が連動する制度に生まれ変わりました。
背景には小学生時代に夢中で取り組んだ塾の”レベル上げ”体験と「総合格闘家的なビジネスマン」を育てたいという想い。制度そのものが“育成マネージャー”として機能し、個人と会社の両方の成長を支える仕組みがアーラリンクにはあります。
- 目次
- 人事制度変えました
- 抽象的な制度から脱却した
- キャリアステップをめちゃくちゃ明確に
- 誰でもスマホ事業の仕事を全部分解した
- 小学生の頃の体験がベースにある
- COOが見なくても事業が育つ仕組みを
- エントリーコースで土台を固める
- 総合格闘家みたいなビジネスマンへ
- 専門性だけじゃ不安定な時代
- スキルだけじゃなくバリューも見る
- アルバイトからキャリアが始まる
人事制度変えました
人事制度を5月くらいから「変えたい」と言っていたんですが、今回ついに変えました。
今までのアーラリンクの人事制度はイケてなかったので、何をどう目指したらどう成長するのかとか、どれくらい給料上がるのかとか不透明すぎたんですよね。そこをめちゃくちゃ明確にしました。
抽象的な制度から脱却した
人事制度って抽象的に作らなきゃいけないっていう思い込みが自分の中にあったんですよ。部署ごとに共通の評価軸を作らなきゃと考えたらどうしても抽象度が高くなってしまっていて。
今回の人事制度では部署ごとに内容をしっかり分けて、横ぐしを気にせず、この部署だったらこういうキャリアステップだよと具体的に設計しました。
キャリアステップをめちゃくちゃ明確に
等級ごとに書いてある言葉がめちゃくちゃ明確になっています。だいたい何をすればいいのかがわかるようになっています。
やっぱり目標マネジメントって大事だなって思っていて、明確な目標があるから人は頑張れるっていう考え方。それをちゃんと制度の中に落とし込んでキャリアステップを全部見えるようにしました。
誰でもスマホ事業の仕事を全部分解した
「誰でもスマホ」って僕が全部作ってきた事業で、僕は全部署の仕事ができる状態だったから、それを全部分解して人事制度に落とし込んでる感じなんです。
たとえば「カスタマーサポートやってるときに、このタイミングでSEの知識が必要だからここでSEに行く」みたいな動きも全部設計してます。
どのタイミングでどの部署に移って、どのレベルになったら戻るのかまで全部細かく書いてあります。次、自分が何をやるかが明確になっています。
小学生の頃の体験がベースにある
小学生のとき四谷大塚の塾に通ってたんですよ。「55段階制度」っていうのがあってクラスが55個に分かれてるんです。
それを1個ずつクリアしていくとレベルが上がっていくっていうのがめちゃくちゃ楽しかったんですよね。「これやったらこういう点数がついて、次のクラスに行ける」みたいな。
そういう“上がっていく楽しさ”を今回の制度に組み込んでるんです。
COOが見なくても事業が育つ仕組みを
人事制度を作った目的としてみんながスキルアップしていく中で、僕がCOOとしてずっと現場を見てなくても、誰でもスマホという事業がちゃんと成長する仕組みにしたいってことなんです。
あとは“オペレーションエクセレンス”って考え方を大事にしてるんです。人が増えても業務が複雑になっても、ちゃんと決められたことをしっかりやってお客様にちゃんと価値を届けるということ。
そのためにはオペレーションを「作る人」「指揮するリーダー」「実行する人」っていう3つの人格が必要なんですよね。
今アーラリンクは「作る人」と「リーダー」が足りていないので、その能力を育てるために制度の中に要件として入れ込んでます。
エントリーコースで土台を固める
うちでは全員“エントリーコース”からスタートします。まずカスタマーサポートを通じてお客様への理解を深めることと、あとはSE。
ノーコードでシステムを作れるようになっているので、比較的簡単なものはみんな作れるようになってほしいと思っています。なのでエントリーコースの卒業要件にはSEの初級も入れてます。
エントリーコースで“作る力”と“実行する力”、この2つの初歩をちゃんと体現してもらう設計になってます。
総合格闘家みたいなビジネスマンへ
ビジネスマンって“総合格闘家であれ”と思ってるんですよ。マーケティングだけとか、オペレーションだけじゃなくて、いろんなことができないと適切な意思決定ってできないと思うんです。
だからこそ、うちは新卒にいろんな業務を経験してもらいながら“ビジネスの総合力”を高めていく。そういう育成思想を制度全体に込めてるんですよね。
専門性だけじゃ不安定な時代
今の時代って1個の専門スキルだけに頼るのはリスクがあると思ってて。たとえばAIに代替されちゃったら、その1個しかない強みがなくなっちゃう。若いときならまた別の能力を開拓できるけど、年齢を重ねたら難しくなるじゃないですか。
一応、1個のことをずっとやるようなエキスパートコースも制度の中に用意をしてるんですけど、やっぱり仕事を作って指示する側になるっていうのが、AIやテクノロジーに代替されない人材だと思いますし、そういう人になろうねって言うのが会社の育成制度の中でメインとして置いてます。
スキルだけじゃなくバリューも見る
スキル評価だけじゃなくて“バリュー”も重視してます。たとえば「お客様に価値を届ける」とか「組織人格を持って周囲と協力できる」とか「速さと丁寧さを両立できる」とか。そういうことをちゃんとやってる人は次のステップに進みます。
あと全社投票で評価する仕組みを作ろうかなと考えています。たとえば“挨拶ウィーク”を設けて「誰が一番挨拶してるか」みたいな投票をするとか。何度も選ばれて殿堂入りする人は次のステップに進めるみたいな。
会社が大切にしている価値観をちゃんとやっている、人に広められている人が次のステップに行けるように設計しています。会社のバリューをみんなで高い密度でやっていこうねっていうのも作りたい会社の像としてあります。
アルバイトからキャリアが始まる
この人事制度って内定者のアルバイトにも適用してるんですよ。アルバイト中に等級を1個ずつクリアしたら、2等級、3等級って上がっていく。そしてその評価が正式入社後にもそのまま引き継がれるんです。
エントリーコースからマネジメントコースに進めば、給料も月に10万円ぐらい変わってくる。大学3年の8月に内定してすぐバイトを始めれば、4月入社時にマネジメントコーススタートも全然間に合います。
僕みたいに学生の時から「早くビジネス」をしたいと思っている人は、アーラリンクに早く入って、早くから仕事して、早くから成長してもらえると嬉しいなと思います。

話し手
高橋 翼
株式会社アーラリンク代表取締役社長
2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。