アップルウォッチNG、スマホNGが意味するアーラリンクの姿勢
「え、これもダメなんですか?って顔をされたんです」
アップルウォッチを外す?スマホもNG?アーラリンクの情報管理ルールに戸惑う新卒社員もいますが、それには明確な理由があります。
信頼を守るために会社がどこまで考えて仕組みを整えているか、その姿勢と“なぜそこまで?”の答えをお伝えします。
- 目次
- 新卒社員に伝えたい“会社のルール”
- 要配慮情報を扱う責任と覚悟
- 私物NGが示す会社の姿勢
- 社員に伝えたい“消費者目線”
- アップルウォッチ外してと言われたら…
- スマホNGは意識づけの儀式
- Pマーク、取るより“運用”が大変
- 緊急連絡は会社ルールで支える
- “ルーズ”に見られないための戦い
- 社会的責任と信頼の積み重ね
- 「なんでそこまで?」の理由を説明する
新卒社員に伝えたい“会社のルール”
新卒社員が入ってきたタイミングであらためて伝えておきたいなと思ったんですけど、今日はちょっと「ルール」の話をしたいなと思っていて。
これ、会社としての方針の話でもあります。たぶんこのラジオを聞いてくれている求職者の方もいると思うので、事前に伝えておきたいなっていう想いもあって話してます。
要配慮情報を扱う責任と覚悟
僕たちは、やっぱり個人情報をしっかり配慮して扱わなきゃいけない立場なんですよ。
携帯電話の契約に必要な本人確認書類の中には障害者手帳や生活保護の受給証明書といった「要配慮情報」も含まれます。
こうしたセンシティブな情報を扱う以上、情報のアクセス管理を厳しくする必要があるし、使命としてやらなきゃいけないって考えてます。
私物NGが示す会社の姿勢
執務スペースへの入室はカードキーで制限し、個人のスマホやスマートウォッチなどの電子機器は一切持ち込み禁止にしています。
やっぱり個人情報を扱う中で、私物を持ち込むっていうのはガバナンス的に許されないというのがアーラリンクの方針です。
誰かが悪用しようと思ったら、正直、抜け道はあるかもしれないけど、それでも「会社としての姿勢を見せること」が重要なんですよ。そういう意味でも、私物の電子機器は全部NGにしてるんです。
社員に伝えたい“消費者目線”
これを聞いてる社員にもあらためて伝えたいんですけど、自分が消費者として身分証を提出するとき、適当に扱われてたら嫌じゃないですか?
僕らはそういう情報を取り扱う仕事をしてるわけで、たとえ若気の至りでも、個人情報をうっかり記録しちゃうとか、そういうのは信頼を損なう原因になります。
だから個人のパソコンとかスマホ、スマートウォッチも全部ダメです。会社のIPで制限されたPCだけが使えるようになってて、そのPCでしかデータベースにアクセスできないようにしてます。
執務スペースに個人のデバイスは一切NG。それが僕らの運用の基本なんです。
アップルウォッチ外してと言われたら…
新卒の社員に「アップルウォッチ外してね」って伝えると驚かれることがあるんです。
「せっかく買ったのに」って気持ちも分かるんですけど、これはガバナンスとしての方針。
今日も実際に「え、ダメなんですか?」という反応を見かけて、やっぱり事前にちゃんと伝えなきゃって思いました。
みんな真面目だからこそ、理由をきちんと説明することが大事なんです。
スマホNGは意識づけの儀式
スマホはロッカーにしまって、必要ならそこまで行って確認してもらう運用にしています。
ちょっと不便かもしれませんが、それくらいの徹底があるからこそ「個人情報を扱っているんだ」という意識が育つと思うんです。
ある意味で“儀式”的に、毎日守るルールが信頼をつくる基礎になる。僕はそう考えてます。
Pマーク、取るより“運用”が大変
Pマーク(プライバシーマーク)は、取得よりも運用のほうが本当に大変なんです。
手順通りに進めれば取れるけど、更新時の細かいチェックがめちゃくちゃ多くて「本当にここまでやるの?」って思うレベル。
でも、僕らは接客業で多くの情報を扱うからこそPマークの運用が信頼につながる。その姿勢を見せることが大事なんですよね。
緊急連絡は会社ルールで支える
介護や子育てなど、私用スマホが手放せない事情がある方には、アーラリンクの環境は正直合わないかもしれません。
でも会社携帯や代表番号での連絡対応など、緊急時のための仕組みはちゃんと整えています。会社の携帯も許可なく持ち出し禁止。
すべては個人情報を守るためのルールで、安心して働ける体制づくりに繋がってるんです。
“ルーズ”に見られないための戦い
僕たち「誰でもスマホ」という困ってる人のためのサービスをやってるんですけど、外から見てルーズだと思われたら終わりなんですよ。
たとえ中身がちゃんとしていても「見え方」だけで信用を失ってしまう可能性がある。
だから、本当に細かいところまで、ガバナンスをきっちりやってるんです。
社会的責任と信頼の積み重ね
今後、会社がもっと大きくなって、お客さまも増えていくと、それに比例して社会的責任も重くなっていきますよね。
だから今のうちから、ちゃんとした仕組みを作って、ひとつひとつ積み重ねていく必要があると思ってます。
これは、うちが成長していく中で絶対に避けて通れない道なんですよ。
「なんでそこまで?」の理由を説明する
でもね、こういう話ってちゃんと説明しないと「やりすぎじゃない?」とか「なんでそこまでやるの?」って思われてしまうんですよね。
僕も新卒の社員が最初にそのルールを聞いたときに「意味わかんない」って思っても不思議じゃないと思うんです。でも、それって姿勢を社会に示すためなんですよね。
社員のことは本当に信頼してるんですよ。
ただ、その信頼があるからこそ「社会にはこう見られてる」ってことを伝える責任がある。だから会社としての姿勢を示す意味で、こういったガバナンス体制を取ってるっていうのをきちんと説明しておきたかったんです。

話し手
高橋 翼
株式会社アーラリンク代表取締役社長
2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。