#39 経営者が直面するジェネレーションギャップの正体

事業の変化に対応するスピードが求められる一方で、経営者の悩みは「人」にもあります。遅刻しても謝らない、表情を見せない若者たち。コロナや文化の違いによって広がる世代間の価値観の違い。インターンで見えたジェネレーションギャップをきっかけに、組織にとっての“正しさ”を考えます。

言えないことが多い経営の現実

毎週更新しているラジオですが、実は「今めちゃめちゃホットな話題があるのに、まだ言えない」という時期が3〜4ヶ月に一度訪れます。事業の方向性に関わる大きな仕掛けほど、インターネット上で話せない事情があるのです。
経営者として頭の中はそれでいっぱいなのに、口にできないもどかしさを感じています。

iPhone17と事業対応のスピード感

たとえば直近ではiPhone17が物理SIM非対応で登場しました。弊社のサービスも早急に対応を進める必要があると考えています。
私はまだ、iPhoneXSを7年間使っていて、そろそろ買い替えを検討中です。こうした外部環境の変化に迅速にアジャストすることは、事業を進める上で欠かせません。

インターンで見えた価値観の違い

最近のインターンシップで、参加者の半数以上が遅刻し、その中で連絡をくれる人もいれば謝らない人もいました。そうした態度一つで評価は変わります。
背景にはジェネレーションギャップがあるのかもしれませんが、私自身「これは教育なのか、洗脳なのか」という葛藤を覚えています。

遅刻・謝罪・表情が示す評価のポイント

社会通念として遅れたら謝るのが当たり前だと思います。しかし、それを当然と思わない人も増えています。また、近年は人前で話をしても表情が乏しいと感じることが増えました。
相手の話をうなずきながら聞く、笑顔を見せるといったノンバーバルな要素が減り、評価が難しくなっています。

「。」つけない文化とジェネレーションギャップ

LINEで「よろしくお願いします。」に句点をつけない若い世代を見て、私は違和感を覚えます。句点がないと怒っているように見えるのですが、彼らにとっては逆に句点がある方が不機嫌に見える。
こうした文化の違いは、時にビジネスの現場で大きな誤解を生みます。

組織として正解を定義する必要性

「謝るかどうか」「句点をつけるかどうか」といった価値観の違いは、個々の自由で済ませられる部分もあります。しかし会社としては行動指針を示す必要があります。
遅刻したら必ず謝る、といった最低限の正解を定義しないと、社内でモヤモヤが広がってしまいます。

「8時10分前」問題と時間感覚の変化

「8時10分前に来てください」という表現が、世代によって全く違う意味に解釈されることがあります。ある世代は7時50分を指すと考えますが、若い世代は「8時10分までに」という意味に捉えるのです。
背景には、LINE文化や乗換案内アプリの普及によって「時間にぴったりに行ける」が当たり前になったことがあります。

コロナが生んだ表情の乏しさ

コロナ禍でマスクが常態化し、人と直接会う機会が減った世代は、笑顔や表情を見せる習慣が弱まっています。インターンシップでも、話が刺さっているのかどうか表情から読み取りづらくなり、コミュニケーションが難しくなっています。

世代断層と採用・評価の難しさ

20代とひとくくりにできないほど、世代ごとに文化や価値観が異なります。コロナ期に就活をした層、学生時代をマスクで過ごした層など、それぞれ特徴が違います。
評価や採用において、その違いをどう受け止め、どう定義していくかは大きな課題です。

対面文化を守るという選択

アーラリンクはテレワークを導入せず、対面での仕事を大事にしています。「今の時代に珍しい」と言われることもありますが、組織を強くするには顔を合わせることが重要だと考えています。
変化を受け入れつつも、守るべき文化は守り抜きたい。それが私の経営者としてのスタンスです。

話し手

高橋 翼

株式会社アーラリンク代表取締役社長

2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。