#35 ”高橋パワー”ではなく”組織の力”で成長する未来へ

「次の10年は”組織の力”で成長していかなければいけない」
40歳を迎えたこの節目に、これまでの10年を振り返ります。
プレイヤーとしてではなく、CEOとしてあるべき姿を意識するきっかけとなったエピソードや、「ブックリーディング&ワーク」という取り組みがもたらす効果について、今後の10年の展望とともに語ります。

40歳を迎えて思うこと

「40歳不惑」なんて言うけど全然そんなことないんですよ。むしろまだまだ迷ってる。年上の経営者仲間たちも口をそろえて「迷ってるよ」って言ってました。

最近だとヨーロッパの60歳くらいの人たちが、昔でいう40歳くらいの感覚で生きてるらしくて。つまり今の僕たちの40代はまだ迷ってて当然なのかもしれないなって。

VUCAの時代で自分の哲学も変わり続ける中、「40歳不惑」は時代に適合しなくなってきてると感じています。

30歳から40歳の10年間を振り返る

30歳から40歳のこの10年を振り返ると、満足できる成長ができたと思っています。

次の10年も同じように成長を続けられたら、きっといい時間だったなと思えるし、だから40代でも成長ペースを落とさずに、引き続き「成長にどん欲」でいたいと思っています。

創業3期目のころの自分

10年前、つまり30歳の頃は創業3期目でした。初めて社員が増えて3人体制になった時期。当時の自分を振り返ると、本当にポンコツな感じで、社長としてどうあるべきか全然わかってなくて、今思うと結構チャランポランだったなと思います。

当時はカスタマーサポートを自分でやっていて、お客さんの電話に出ながら現場の運営まで全部やってましたね。

変化のきっかけは“師匠”との出会い

大きく自分自身の考え方が変わったのは8期目か9期目、35歳〜36歳の頃。

経営者のコミュニティで出会った師匠、いわゆる”メンター”がいたんですが、当時は現場マネージャーみたいなことをやっていて、「あなたがやっているそれ、本当に社長の仕事?」と何度も問われて気づかされました。

そこから経営者としてどうあるべきなのか意識が変わっていきました。

社長の仕事とは?

「経営者としてやるべきこと」「今の組織に必要なこと」「自分がやらずともまわせる仕組み」そういったものを意識するようになったのは、まさにそのメンターからの問いかけがきっかけです。

この仕事をいつか自分がやらなくなるとき、たとえば外部から人を呼ぶのか、内部から育てるのか。そういうことが考えられるようになったのはメンターの存在が大きかったです。

アーラリンクのメンター制度

この経験をもとに、アーラリンクにもメンター制度を導入しています。中途、新卒、内定者の3階層に分けて、それぞれに応じたメンターがつく仕組み。

中途に関してはアーラリンクのことを知りましょうっていう目的で、上司との1on1とは別に、直属以外の上司と月1の1on1で斜めの関係性を作っています。

新卒はより手厚く

新卒社員向けには半年くらいの期間で、週1回15分と月1回30分の時間を設けていて、タスクの進捗や課題などを共有するようにしています。業務と直接関わりのない先輩がメンターなので、接触回数を増やして信頼を積み上げていくことと、宿題とか課題図書のフィードバックが目的です。

メンターは現場責任者、さらに上の役職者が努めます。一人のメンターが何人もメンティを持っている構造になっています。

組織拡大と6人の壁

かつては4期目くらいまで「6人の壁」と呼ばれる成長の停滞も経験しました。そこから徐々に人数が増え、今ではパート・派遣含めて約100人規模の組織になりました。

転機は「誰でもスマホ」という事業が始まる2年くらい前からですかね。

自分を知ることが未来を描く鍵

これからの成長に向けて大事にしているのが「自分を知ること」です。経営にせよ、人生にせよ、自分という土台を知らないまま未来を描いても意味がない。

内省を通じて、自分の器や克服すべき課題を見つけていくことが大切だと思っています。自分を知った上で未来を見ることをしています。

50歳までに売上1000億円を目指す

具体的に掲げている目標は50歳までに売上1000億円を超えること。加えてアーラリンクや誰でもスマホといった事業の世界観を世の中に伝えていくこと。

世の中にこういう価値を提供している会社ですよということを、もっと整理していかないと数字の目標も達成できないし、

もっと言うとサイズ的に大きくなる、社会のインフラになる、社会に必要とされることは自分のやりたいことなので、それらが良い感じに交じり合っていると思っています。

CEOとしての自分を育てる10年へ

30歳から40歳での成長ってある意味「高橋パワー」でやってきた感じがあります。次の10年は「組織の力」で成長していかないといけない。

プレイヤーとしてではなくCEOとしての自分のあり方を確立していくフェーズ。それには内部から人材を育てないといけないと思っていて、かつ社長の自分が教えることが重要だと思っています。

この半年、思想を伝えるという意味で「ブックリーディング&ワーク」に取り組んでいます。自分が読んだ本の「こういう考え方が好き」とか「こういうところを一緒に考えたい」みたいなワークをしています。

ブックリーディングが&ワークがもたらす効果

こういう風になってほしいみたいな課題や理想に対して選書しているので、勉強になるだけじゃなくてチームを育むことに繋がなります。

幹部育成にすごいおすすめで、部下たちもブックリーディングの主催者になっていくので、教えるっていう文化が社内で醸成されていって、組織の成り立ちとして良いことだと思っています。

話し手

高橋 翼

株式会社アーラリンク代表取締役社長

2011年早稲田大学社会科学部卒業。通信事業の将来性と貧困救済の必要性を感じ2013年にアーラリンクを創業。